とある「彼女」に見えなくとも、一緒に過ごしてその日々や思いを語っている「語り手」という存在。人魚になったり女神になったりしている、妄想好きな彼女のこれまでとこれからを語る。不思議な世界観で紡がれる、巡り逢いと別れのファンタジー。2021年度の同題異話の著者の参加作品ともリンクしています。どんな生き方をしていても、どんな最期を迎えても、どこかの誰かが見ていて語ってくれるというのはどこか安堵感が覚えました。孤独ではないことの幸福感に満たされるラストです。