第4話 カッコウのプーチ

北の鳥の国のお話。

ホウジロのゴルバは自由な国を作ろうと、S連邦からR国へと国の在り方を変えた。

オナガのエリッチはR国の選挙制度を整えた。


R国は民主政治の道を歩もうとしていた。ホウジロのゴルバやオナガのエリッチの産んだ卵から民主主義の雛たちが育ち、巣立つだろうと西の鳥たちも思っていた。


「あれ?なんか、おかしくないか?」東のヒヨドリは心配になった。

カッコウのプーチが、ホウジロやオナガの卵を巣から落とし、自分の卵を紛れ込ませている。

「プーチの雛たちが多くなり、議会や機関で政治制度を、プーチに都合よく変えている」

ヒヨドリは唸った

「カッコウたちが、プーチを大統領から独裁者へと押し立てていく」

しばらくするとカッコウのプーチとその雛たちがR国を支配するようになった。


「R国のあっちこっちの巣に、俺の卵を托卵してきたから民主政治の雛たちは育たたないさ」プーチはほくそ笑む。


「これからは俺がR国だけでなく世界を支配するのさ。まずはユーラシアからだ。民主政治の卵を巣から落として、俺の言うことを聞く卵を置いて行くのだ」 プーチの鼻息は荒い。


その言葉通りR国は周辺の鳥の国へ侵略を始めた。


東のヒヨドリは、北の鳥の国へ飛んだ。そしてプーチたちに言う

「独裁の時代は続かない、歴史を見れば明らかだ!それにカッコウばかりになったらオマエが托卵できる巣はなくなるんだぞ!オマエの姑息なやり方は国を永続的に繁栄させることはない!」


東のヒヨドリの鳴き声は西の国の鳥たちの鳴き声と共鳴し、プーチを大いに苦しめた。


人間に生まれ変わる何回か前、ヒヨドリだったときの田原総一朗氏のお話。

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人間、田原総一朗 糸島誠 @BerukPapa

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