第3話 チュー国オリンピック

 ネズミの国、チュー国では動物たちのオリンピックが開催されていた。このときこの会場の中だけは色んな動物たちが一緒に平和にスポーツを楽しむことができる。


 チュー国はネズミ算式に増える圧倒的な人口を武器に世界の超大国となった。他人の食料を囓ったり、不衛生で新型感染症などの病原菌を発生させることもあり、尊敬されたり好かれたりする国ではない。その国力は強大で、その自己チュー心的な外交政策に他国は我慢を強いられている。


「まぁオリンピック期間中は平和を楽しもう」片手にティーカップを持ったライオン、コーラを飲む大鷲、バレンシアオレンジを囓る牛、多くの動物たちが寛ぎながらテレビ放送を観ていた。

「チュー国はちゃんと設備を作ってフェアに運営してるかな?」

「選手たちが日頃の成果を発表できればいいね」和やかに競技を観戦していた。


 その時、テレビの画面に緊急テロップが流れた。

『熊国がアライグマ国に侵攻!』

 緊急首脳会談が招集された。


 動物各国の首脳たちが話合う

「熊国かぁ、近頃はメガネグマ国とか近くて小さな国々に戦争を仕掛けるよね」

「困ったもんだ。」

「組織的ドーピングで熊国はオリンピックに出られないしな。それでこのタイミングかな?」

 お茶飲み話のような首脳会談である。


 そこにキジが乗り込んで来た。

「現代は世界が繋がっている。他人事のようにテレビを見てグダグダ言ってる場合じゃないだろう!」

「し、失礼な、ちゃんと熊国への経済制裁を進めている!」大して効果的なことができない首脳たちはちょっとキョドって答えた。

 キジは言う。

「目先のことに加えて、先々のことにも手を打ったらどうだ!例えば、国際動物連合の常任理事国がチュー国と熊国だ。そして常任理事国1か国の反対で国際動物連合の決議ができない。オマエたちもそれが良いことだとおもっていないだろう!国際平和のためにより良い仕組みや在り方を、今こそ考え作り出し始めるべきでないのか!」


 首脳たちは急いで国際動物連合の新たな枠組みを作った。今回はオリンピック開催中でもありチュー国が国際世論と乖離した我案を押し通すこともなくスムーズに決まった。

 新たな国際動物連合の枠組みのもとアライグマ国は熊国の侵略から逃れることができた。


 人間に生まれ変わる何回か前、キジだったときの田原総一朗氏のお話。

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