第4話 春の嵐③
「ごめんなさい。やっぱり登校は不安なので、あとしばらくお願いできませんか?」「そう…、それなら仕方ないわね。」
明らかに不機嫌そうな白沢さん。まだまだ、何かありそうな気がする。気をつけなよ、桜木さん。いや、気を付けるというより、白沢さんに対して警戒心をもって接した方がいいと思うよ。カラスのアドバイス、人間には届かないか。
案の定、数日後に再び、桜木さんが白沢さんに呼び出されている場面に出くわした。白沢さん、険しい顔してる。おぉ、怖い。桜木さんなんて、すっかり萎縮しちゃって、見ているこっちまで悲しくなる。
「桜木さんのお嬢さん、うちの子の言うこと聞かないで、どんどん行ってしまうんですって!」
「え、そうなんですか?すいません、本当にごめんなさい。」
かわいそうに、桜木さんの顔、顔面蒼白とはまさにこのこと。そりゃそうだ、登校初日にして、引率を断られそうになったと思いきや、今度は自分の子供が何かやらかしたようだ。何とか耐えろ、桜木さん。
「娘にちゃんと話してきかせます。本当にすいません。」
「うちは、あなたのお子さんが言うことを聞かないせいで、何かあった時まで責任とれませんから!」
責任取れませんから!って、すごい剣幕だな、白沢さん。まぁ、桜木さんもここは引くしかないだろうな。
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