継母差別~血のつながりって、愛情を育む上でそんなに重要ですか?~
風音紫杏
第1話
皆様こんにちは。エッセイ第二弾を執筆中の風音紫杏です。今作も読んでいただければ幸いです。
さて、今回のテーマは、『継母差別』です。
継母差別ってなんじゃらほいという方も多いと思いますので――というか私が作った言葉なので知らなくても当然なのですが――継母差別の定義について説明します。
継母。
皆様は、その言葉から何を連想しますか?
意地悪・魔法使い・浪費家・理不尽・嫌われ者・悪役・ざまあされる――
等々、あまり良いイメージは出てこないと思います。
それこそ、継母差別なのではないのでしょうか?
そもそも何故、継母と聞くと悪いイメージが出てくるのでしょうか?
それは、グリム童話にあるのではないかと思います。
白雪姫や、シンデレラ。ヘンゼルとグレーテルなどのグリム童話の悪役は、継母が多いです。
ですが、白雪姫や、ヘンゼルとグレーテルなど、いくつかのグリム童話の悪役としての継母は、もともと実母だったことを知っていますか?
知っている方は知っている話ですが、『本物の母親が実の子供をこんな惨い目に合わせるはずがない!』的な批判が殺到したらしく、継母へと改稿されてしまったそうです。
――でも、これってどう考えても差別ですよね?
実の母親だろうが、子供を虐待する人はしますし、義理の親子だろうが、仲のいい家族は仲良くしています。
『実の母親は子供を可愛がらなくてはならない』これは当たり前のことですが、この定義、実の母親ってコンセプトに縛らないといけないなんてことはないと思います。
継母だから意地悪。継母だから理不尽。継母だから浪費家――
これは継母に限ったことではありません。
しかも、ヘンゼルとグレーテルなんか、ラストに違和感感じません?
【無事に家へ帰りついたヘンゼルとグレーテル。なんと、意地悪な継母は死んでいて、お父さんは二人を温かく迎えたのでした――】
って、お父さん、継母と一緒になって二人を森に置き去りにしてましたよね!?
それなのにしれっと責任を継母におしつけてますし。
これこそ継母差別だと、私は思っています。
また、なろうでも継母差別は存在します。
なろうの異世界恋愛のテンプレの一つに、『ヒロインが継母と異母妹に虐げられており、ある日唐突に異母妹の婚約者(この時点ではヒーローの印象最悪)を押し付けられる。又は自分の婚約者を寝取られ、婚約者を交換する羽目に。なんやかんやあって、向こうは優良物件で、色々あって溺愛される。二人が両想いになったところでようやく優良物件だと気づいた異母妹が継母と共に、強引に婚約をもとに戻そうとするが、ヒーローにバッサリ斬られる。ざまあ後、ハピエン』というものがあります。
婚約者を寝取ったり、身代わりにさせたりする異母妹は実妹のこともありますが、どちらかというと継母と異母妹のことが多いように感じます。
これもまた、継母差別や、血のつながりのない人と家族になるとろくなことにならない差別の一つなのではないでしょうか。
継母差別の一番の被害者は、ほかでもない、継母の方々です。
先ほども書きましたが、義理の家族でも仲良くやっている家庭があります。
私たちの持つ、『継母は実母よりも意地悪』という漠然としたイメージは、時にそれだけで誰かを傷つけるかもしれないのです。
「フィクションだからリアルには関係ない」
そうおっしゃられる方もいるかもしれませんが、そんなイメージを持っているせいで、親の再婚相手と上手くやっていけない子供がいるかもしれないのですよ?
これ以上悲しい思いをする人を出さないためにも、そんなイメージを撤回してほしいと思います。
円満な人間関係のためにも、物語の中で、ヒロインを虐げる家族の中でも継母の割合が低くなることを願って。
継母差別~血のつながりって、愛情を育む上でそんなに重要ですか?~ 風音紫杏 @siberiannhasuki-
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