第161話 紀伊半島

 お正月は、のんびりと過ごさせていただきました。二日三日は親戚と食事をする予定だったのですが、無くなりました。インフルエンザだそうです。予定が無くなってしまいました。仕事は5日から始まります。3日間の予定がありません。本を読んだり映画を観たりして過ごそうか……。夜の9時ごろ、風呂に入り考えました。


 ――出かけよう!


 風呂から出て、服を着て、お酒を飲みます。飲みながら、嫁さんに伝えました。


「明日からソロキャンプに行ってくる」

「えっ!? どこに行くの?」

「……伊勢神宮」

「バイクで?」

「うん」

「えー、困る~」

「でも、行きたい。そのまま紀伊半島を一周してくる」

「……」


 嫁さんは嫌がっていましたが、渋々納得してくれたようです。ごめんね。

 突然の旅行になりましたが、今から伊勢神宮に行ってきます。聖徳太子の小説を書くためには、どうしても訪れる必要がある場所でした。何故なら、彼らの一族から斎宮として伊勢の巫女になっているからです。更には、斎宮だというのに兄妹に強姦されてしまうというドラマも生み出しています。足を運んでおく必要がありました。これはチャンスです。


 ソロキャンプの為の用意は昨晩に済ませました。テントや寝袋などキャンプに必要な道具は揃っています。食べ物に関しては、夜中にむね肉を2日分仕込みました。家庭に常備されているインスタントラーメンもゲットします。ご飯を炊くのは面倒なので、雑煮用のお餅をご飯の代わりに持っていきます。ただ、重要なパーツが一つ足りません。それは炭です。奈良で何とか調達したいと思います。あと、今回の旅行で大きな心配事があります。それは、雨です。


 若い頃に、野宿旅行をしていた頃は、雨の中のキャンプは何度も経験しました。しかし、寒い冬に雨に晒されるキャンプは初めてになります。最初の宿泊地である伊勢近辺では、天気の心配はありません。問題は、2日目に宿泊する紀伊半島の最南端である串本になります。雨に対する対策は用意しますが……寒いだろうな~。

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