第15話 残響

朱音が気を失いベッドに寝かしてからも1時間くらいは刹那は朱音を見守る形で横に座っていてあげた。


が、しかしさすがに眠くなり、そのまま、ベッドの下の床で寝てしまった。


次の日の土曜日の昼12時頃、刹那は目覚めた。

すると、朱音がパジャマ姿のまま、刹那の横に座った。


おはよー♪


う、うん。おはよーさん。そ、そういえば!もう、大丈夫なのかよ?


うん。刹那くんが助けてくれたんだよね?


そっと、朱音が刹那の手に手を置いてきた。


そかそか。良かった~♪


刹那は天井を見上げながら、ため息をついて喜んだ。


その時、朱音が刹那の前に座ると改まった感じで聞いてきた。


あのね。アタシ。最近さ、気付いた事があって。


うん。何?また、幽霊とか?


違うの。アタシ、刹那くんが好き。


刹那 えっ?と。ありがとう?


ね、アタシの事、どう思う?


うーん。素敵な人だと思うよ。


じゃさ、付き合う?アタシ達。


俺、付き合うとか良く分からねーけど、俺みたいなので良ければ良いよ。


うん。アタシは刹那くんが良い。

朱音は刹那の肩に手をまわし、更に近づいてきた。


ね、昨日の続き、しよ。


続き?


朱音が唐突に唇を優しく重ねてきた。


刹那はそれに応えるかのようにゆっくり、抱きしめた。


朱音 こうしていると落ち着く♡もう少し、良い?


刹那 良いよ。森崎は、独り暮らしだから、寂しいだけとかじゃないの?

本当に俺で良いのかよ?


朱音 うん。さっき、刹那くんの寝顔を見てて決めたの。アタシの事もさ、下の名前で呼んでよ。


刹那 朱音さん?


朱音 今日は、最初だからね。それで良いよね?笑


刹那 多分。本当にさ、俺、こうゆうの分からくて。ごめん。


朱音 良いよ。アタシも分からないし。


二人は身を寄せ合いながら、恥ずかし気に、ゆっくりと会話をした。


優香 ・・・良いな♡良いな♡・・・


それからは昼食を二人で食べて、昨夜のような事が起きないように、結界となる盛塩と御札、御守り一式を二人で買いに行った。


刹那 昨日の事、覚えてたんだ?忘れてくれていたら良いのに。と思ってたんだけど。


朱音 うん。だって、あんなの初めて見たもん!でも、サークルのメンバーにはさ、黙っておこうね。


刹那 朱音さんの好きにしたら良いよ。家の事、不気味がられてもね。


朱音 うん。うん。


朱音は刹那の腕に目いっぱいくっついて歩いていた。


刹那の初デートになった出来事であった。






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