第13話 占い
大学でサークルに入って6ヶ月が経った頃、刹那とサークルの仲間はすっかり、打ち解けていた。
サークルの活動では、大学内にある1本だけの桜の木に取り憑いていると言われていた平安時代の女の霊を調べたり、通学路の踏切に現れると言われていた新聞配達員の幽霊を調べたりと、その数、約30件あまりであった。
調べ方としては、現地に行き、写真を撮ったり磁力を測ったり等を色々したが、刹那にはどれもガセだと分かっていた。が、それでも仲間は楽しそうだった為、真実は伏せていた。
そんな頃、図書室でサークルに誘った朱音とは途中まで一緒に帰っていた。
朱音 今更だけどさー、冴島くんって刹那。って名前なんだよね?
刹那 うん。そうだよ。何で?あ、呼びづらかったら、刹那で良いよ。
朱音 いやー、男で刹那って良い名前だなー。って思ったから。親はさ、どうゆう意味で付けたのかな~?って。
刹那 あ、それは聞いたらバカみたいだよ。オヤジのさ、聞き間違いなんだ。
朱音 何それー?笑
刹那は少し恥ずかしめに話した。
俺が生まれた日、オヤジは仕事場にいて、母は早く、生まれた事を伝えたかったみたいで、電話をしたんだって。
名前、どうする?って。
そしたら、オヤジの職場の工事音がうるさくて母はオヤジの声があんまり聞こえなかったみたい。
で、オヤジはさ、ガキが生まれる日に一緒にいてやれねーなんて、せつねーな。ってボヤイたみたい。
そしたら、母は産後でフラついてたのもあって、せつねーなを名前だと思ったみたいで。で、刹那らしい笑
バカでしょ?
朱音 へー、おっかしい笑
でも、アタシは好きな名前だよ。
あっ、アタシ、こっちだ。
刹那 うん。じゃ、また!
朱音 あっ、ねー、良かったらさウチ来ない?
いつも一人でご飯だから。一緒に映画でも見ようよ。
刹那 別に良いけど。俺、家行って大丈夫なの?
朱音 良いよ。アタシ、独り暮らしだし。
刹那 そっか。じゃ、とりあえず送っていくよ。
優香 ・・・おっ!これはお誘いか?・・・
刹那 ・・・なわけねーだろ?・・・
優香は相変わらず刹那の肩に乗っかていた。
その日は、朱音の家で一緒にご飯を食べて、先日、話していたホラー映画を一緒にみた。
優香 ・・・きゃーS様素敵~♪呪縛霊の鏡だわ!
朱音 今日、来てくれて良かった~♪アタシ、これ一人で見る勇気がなかったんだよね。
冴島くんは、こうゆうの平気?
刹那 俺の事、刹那って呼び捨てで良いよ。まぁ、映画ってあんまり見た事が無かったけど、普通に面白かったよ。
朱音 なら、良かった♪あ、そうだ!アタシ、占いが出来るの。やってみる?
刹那 へー、そうゆうのもやった事が無いし、面白そ~♪
朱音がタロットカードを引き出しから取り出して机の上に並べた。
朱音 何、占う?恋愛から金運まで色々できるよ。恋愛にする?
刹那 うん。じゃ、それで。よろしく!
先ず、誕生日と名前を伝えて、目を閉じ、並べてあるカードを2枚、指を指した。
朱音 目、開けて良いよ。これとこれだね。
そのカードをめくり、本を見ながら話しだした。
朱音 女性に難あり。みたい。付き合う人が、この先、いるみたいだけど、それを良く思わない人も出てくるみたいだよ。
でも、付き合う人は刹那君を信じてるから、離れたくない気持ちになるんだって。
刹那 ふーん。彼女とか、全然、考えた事が無かったな~。今まで、何だかんだ、そうゆう時間って無かったし。
朱音 ま、占いだからさ。当たるも八卦!当たらぬも八卦だよ。
ようは自分次第って事。
ただ、今の運気がそうゆう流れってだけだよ。
祖母 ・・・この子、出来るわ・・・
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