第12話 大学

ここは刹那が通う工業大学。


特に名門とかではない普通の大学であった。


門を抜けると、すぐに入り口があり、両開きのガラス扉を開けて入る。


その先には右手に階段があり、少し先にエレベーターが備わっている。が、2階は教授達の個室になっている為、階段には登らず通路を真っ直ぐに行く。

そうすると別の階段が食堂の横辺りにある為、そこを3階まで登ると教室がある。


そんな大学での刹那の生活は、サークルには入らず、バイトへ直行し帰宅する。とゆうような生活だった。


しかし、優香の一件以降、刹那の頭には引っかかっていた事があった。


その日、刹那は授業終わりに図書室へと向かった。


高野 ・・・先程のトランスミッションの話し、面白かったですねー♪・・・


刹那 ...確かに!あんなの開発した人って凄いよな~♪...


図書室に入ると電気は薄暗くなっていて、本棚をかき分けて進むと、受付と机、椅子があった。

受付の横に設置されているパソコンで刹那がとある本を検索して、棚に向かった。


刹那 し、し、あった!


そこに一人の黒髪でセミロング、メガネをかけた地味めな女性が本を探しながら見ていた。


あっ、お疲れ様♪何の本を探してるの?この辺、心霊についてだよね?


刹那 んっ?心霊現象についてだよ。


やっぱり♪アタシ、森崎朱音。2年よ。よろしくね。


刹那 俺は冴島刹那。2年。よろしく。


朱音 うん。ところでさー、何で心霊現象の本なんか探してるの?君、オカ研じゃないでしょ?


刹那 あー、ちょっと友達に頼まれてさ。


朱音 それって、どうゆうやつ?


刹那 うーん。これかな?

刹那が本を取り出して、朱音に見せた。


朱音 呪縛霊かー!それ、本当に怖いよね?どうゆう事を知りたいの?アタシ、オカ研だから知ってたら教えてあげるけど?


優香 ・・・ムッ・・・


そうして刹那と朱音は奥にある机に本を置き、椅子に座った。


刹那 あのさ、景色が変わるってゆうか、急に違う世界になる事って分かる?


朱音 あー、もしかして領域転界の事?

呪いのビデオの映画、知ってる?井戸から女が出てくるやつ。


刹那 何か、見た事があるかも。CMとかでだけど。で、領域何とかって何?


朱音 そっかー。ホラーって人気ないもんね?コアってゆうか何てゆうか。

領域転界。

ってゆうのはねー、呪いをかける人、呪術師や呪縛霊が、ターゲットとなる人を自分が一番強くイメージ出来る世界を創り出す事なの。そこでは、転界した人の力が数倍になるのね?

だから、井戸から出てくるビデオも同じ原理ってわけ。

難しいかな?


刹那 いや、分かるよ。


朱音 本当?もっと詳しく知りたかったらさー、サークルにおいでよ♪


刹那 サークルかー。うん。ありがとう。考えておくよ。


朱音 あー、そう言う人って絶対に来ないよねー笑 良かったら、今から少し覗きに来る?


刹那は、覗きに行った。


・・・領域転界かー!・・・


サークルは、別棟の1階、奥にあった。


オカルト研究会とでかでかと看板があり、すぐに分かった。


中に入ると、男性が2人。女性が1人、机越しに話しをしていた。

その奥のホワイトボードには、桜の樹霊あらわる!と書いてあった。


森崎、遅い!と、座っていた茶髪でポニーテールの女性が指をさした。手には付け爪をしている3年の女性だった。


森崎 すいません。先輩!見学者を連れて来ました!

こちら、2年の冴島くんです!

冴島くん、このお方が、サークルの部長の三上先輩。


三上 おっ、彼氏か?いつの間に!


刹那 よろしく。

彼氏じゃないんですけど。苦笑


俺、雄輝。2年!よろしく。


僕はまだ1年です。左周作です。

お、お願いします。


アタシは~!


はい!じゃ、今日のお題はこれ!

と部長が話しだした。


朱音 冴島くん、ここ、座って。あの子、凛ちゃん。3年よ。

と、小声で教えてくれた。


刹那 りょ。ありがとう。


刹那も小声で応えた。











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