第10話 古文書
刹那の父親は冴島孝介(51)
職業は宮大工とゆう職人である。
主に歴史ある神社の修繕や木造住宅を建設する人であった。
その為か、気質は男!とゆう感じで、いつも特攻服のような作業服を着ていて耳にはタバコ、胸ポケットには鉛筆が入っていた。
しかし、家では母の言いなりであり、寡黙であった。
そんな父に久しぶりに会う為、帰宅した刹那は、祖母と祖父の遺影が飾ってある仏間で父の帰宅を待っていた。
そんな父が台所で一服をすると、仏間へと来た。
おー、刹那!元気か?
刹那 うん。まぁ、それなりにやってるよ。
父は気さくに笑顔で話すと正座をし、仏壇へ手を合わせた。
それから、ヨイショ!とあぐらをかき、刹那の方を向いた。
何だよ?俺に話しって珍しいじゃんか?
刹那 うん。あのさ、バカげた話しなんだけど、オヤジは幽霊とかって見える?
幽霊?そこに、かぁさんがいるじゃねーか?
父は、ばぁちゃんがいる刹那の後ろを指さした。
刹那 えっ?オヤジ、見えるのか?
父 あたりめーだろ?俺の家系はな?代々、そうゆう家系だ。
刹那 マジか!じゃ、じゃさ、話せたりする?
父 あ、そうゆうのは出来ねー!俺は見えるだけだ。そういや、オメーとあんまり話した事ってねーなー!いっつも、遊びに出てたもんな?
刹那 そうだね。ごめん。
父 まぁ、母さんから色々は聞いてるから良いんだけどよ。それで、聞きたい事はそれだけか?
刹那は、これまでの祖母との話しだけを父親に伝えた。
父 ほー。そか。お前がかー♪そんで、ばぁちゃんは、見せて良い!って言ってんのか?
刹那 うん。
事情を飲み込んだ父は、仏壇の横にある金庫から1冊の古い本を取り出した。
そして、開いて見てみると古文で書いてあった為、祖母が現代文に直しながら読んでくれた。
その内容は、こうだ。
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シャーマンとは、霊能力を駆使し、あらゆる霊魂や精霊と対話をし、病人や様々な人間関係の悩みを抱えた人を解消する役割や仕事を勤める人の総称である。
その為、力を駆使するには精神だけではなく身体の修練、多くの知識も必要になってくるであろう。
その為、これまでは、部族の族長に匹敵する程の権力を持って多くの人を導いてきた。
もし、その力を強く受け継ぎし者が、この先の未来で生まれし時は悪ではなく、善にして人々を幸せに導いて欲しい。
力は扱いし者により、何とでもなる。
違えた力を使いし者が現れた時の為に、この本と力を高めし指輪をここに遺す。迷いし時は我が墓を訪れるが良い。
我が子孫が善である事を祈る。
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と書いてあり、そこに墓の場所であろう地図と指輪が入った布袋が本に挟まっていた。
刹那 うーん。難しいぞ!
祖母 つまりじゃ、困っている者は人であれ、霊魂であれ、正しき道へと導け!とゆう事じゃ。
刹那 でも、ばぁちゃん、正しいとか俺には良く分からねーよ!
祖母 既にお前は優香や高野くんを導いてるではないか。
父 どうだ?成熟しねーと分かんねーだろ?俺ですら、まだ半分程度しか分からん。しかも、父さんは霊力が弱いからなー。尚更だ。
刹那 本当、それ!
てかさー、今時、幽霊とか、あんまり信じてもらえねーし笑
携帯電話がある時代だよ?
父 だな。けどよ、事実として人知を超えた物事ってのは世の中にあんだからよ。解決したら良いじゃねーか!お前のやり方でやってみろよ。
昔はたんかを切った事があんだろ?
刹那 オヤジって、そっちか?
父は昔の写真を出した。
周りには鉢巻きをしてしゃがんでいるリーゼントの人達が集まり、派手なバイクを所々に置いて真ん中で腕を組み、タバコを加えて特攻服を着ている若い父がそこに写っていた。
父 昔は、これが流行りだったんだ。今のジーパンみてーなもんだよ笑
刹那 ジーパンって!今、流行りなのかよ?笑
父 これはな、母さんには嫌われたんだ。だからよ。辞めたんだよ。見せるんじゃねーぞ!見つかったら、怒られちまう。
そんな父を刹那は改めて感心した。
(どうりで、俺が夜に遊びに行っても何も言わねーわけだ!無関心じゃ、無かったんだ。)
ばぁちゃん はぁ、この子は!
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