第3話 力の使い道

刹那が小学3年生になる頃には、ズルを覚えた。本来、シャーマンの力は良い行いに使うものだが、刹那はカンニングに使用していた。

テストの時には持ち霊の弟に正解の解答を見に行かせ、それを聞いて書いた。

最初は本当に自身の力が本物なのかどうかが半信半疑だった為に、お試しに!とやった事だったのだが、100点を簡単に取れてしまってからは毎回のように使用していた。


夏休み前の算数テストの日

その日は夏の暑さが始まり、太陽の光は学校の子供達を眩しく照らしていた。


刹那 何か、色々が簡単に出来ちゃうから授業も寝てたら良いや!


その時、刹那に弟とは違う人の声が頭の中へ流れ込んだ。


刹那 誰?


お前のおばあちゃんだよ。刹那!ダメだよ。勉強はきちんと、やらないと。シャーマンはね、力があれば良いってもんじゃないんだよ。知識も必要なんだ。


それに、お前、生きていくのに何も分からなかったら、どうするんだい?買い物さえも出来ないバカな人になるのかい?

字が読めずに、どうやって地図を見たり、人に聞いたりするんだい?


刹那 おばあちゃん?何で学校に?


心配で来たんだよ。それに刹那の力が上がったんだ。アタシも刹那に力を貸すよ。


刹那 ん~。でも、簡単に分かるのに勉強とか眠たくなるよ。


それなら、弟の次郎はアタシが連れていくよ。


刹那 次郎?笑


弟 おばあちゃんがね、僕をそう呼ぶんだ。僕、産まれなかったから名前が無くて。


先生 コラ!何を笑ってるんだ!


刹那 あ、先生!ごめんなさい。


弟 おこられたー笑


刹那 うっさい!それよか、次郎は無いよー笑 それにシャーマンって何さ?僕、刹那だし。


おばあちゃん アタシ達みたいな霊魂と話せたり、操れたり、霊の視界や聴覚を盗めたり出来る刹那の力の事だよ。


名前は刹那が考えてあげなさい。

どうせ、アタシのセンスは古いさね。


刹那 すねないでよー笑


弟 この前、お兄ちゃんがレイナちゃんのパンツを見てこい!って言ってたんだよ。


刹那!今後はアタシも監視するよ。ずっと一緒だからね。


刹那 うわー、やりにくいわ~。


刹那は9歳の時に持ち霊が2人になった。



現在、40歳の刹那は昔を振り返りながら思った。

昔は、くだねー事に力を使っていたよなー笑でも、あれらが結果的に練習になってて今、こうして戦えたり出来るんだよな。

ばぁちゃんがいなかったら本当、俺、クソだったかもだ。感謝♪感謝だよ♪


と。






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