幕ノ内劇場 ー舞亭ペン太・チュウ太ー
ペ:「いつもヒグラシ作品ごひいき下さり、有難うございます! 舞亭・ペン太(マイティースピリット・5号)でございます」
チ:「舞亭・チュウ太(同・6号)です~」
ペ:「ボクら、よう似て見えるでしょう? よく『双子の兄弟』に間違われますけど、違いますからね~!」
チ:「違いますよ~! ボクたち双子やのうて『六つ子』ですから~!」
ペ:「おんなじ顔が、あと四人! 居りますからね~!」
チ:「だから街で見かけても、『あらぁ? ひょっとして、チュウ太さんやないの~っ!? 可愛らしいわぁ!』な~んて、声かけない方がイイですよ~」
ペ:「
チ:「エエやないですか、兄さん! ボクだって、たまにはボケてみたいんです~」
ペ:「まぁ、おんなし顔やからぁ? 見た目をけなすのは自爆! なんですけどもネ?」
チ:「そういう事です~!」
ペ:「ところで、弟さん?」
チ:「なんですか?」
ペ:「三話に渡って羽キャット『マコト君』のお話しが続いたけど、ど~やった?」
チ:「どう? とは?」
ペ:「いや、この話しな? じつは本編の召喚くんや獣人ちゃんのおる時代の、400年前に起こった出来事なんやて~」
チ:「ああ、そうだったんや~。どうりで、『なんやエライ殺伐としとるなぁ』って思たわぁ」
ペ:「羽キャットの『マコト君』と、魔界から召喚されたダークエルフの『アイ』が出会うまでを書いてな~、ついでに少しストーリーの整理も『いてこますか』ってな? ヒグラシが企みよったんや!」
「しょもなっ! それでボク等も呼ばれたんかいな?」
ペ:「せやで。ボク等に『ワヤになった話しを纏めなさい』と云う気や。アクドイやろ~?」
チ:「ホンマや、なんてアクドイ作者や! ほんで、兄さん『どう?』とは? なに?」
ペ:「そうや! ここまでマコト君の話し聞いて、弟さんはなにか感想は有る?」
チ:「ああ……『トト子』ちゃんが可愛イらしい?」
ペ:「ロリコンかッ!? ま、ボクら六千年以上生きてるから、たいがいの女の人が『幼女』になってまうんやケドね?」
チ:「ええ~っ! それって『アイおばば』も含みますか~?」
ペ:「あのシワクチャおばばと、お付き合いしたとしても犯罪です~! 年の差『五千五百才』以上? 通報されますよ~」
チ:「あっら~。おばばとカップルになっても、美味しいとこ、ひとっつも無いし、割に合いませんねぇ? アイさんにはボク、近づきません!」
ペ:「それに『トト子』ちゃんなんて言ったら! それは『赤塚』さんトコの『六つ子』さんでしょうが!?」
チ:「セ、せやったな……あぶないあぶない! 『トト』ちゃんや! 彼女イイ子なのに、あまり活躍できませんでしたねェ?」
ペ:「そうやねぇ。ヒグラシも残念がってました~。でも、イイと思いますよ? 荒くれの盗賊たちに囲まれちゃってたから、これ以上話が続いたら、ヒドイ事になってたと思います~」
チ:「いくら小説とはいえ、それは見たくないですねぇ」
ペ:「まぁ、そうなる前に『ナギ』さんが助ける事になるんでしょうけどねェ?」
チ:「そういえば『ナギ』さんて、何者ですかァ? 見た目は魔族みたいですけどォ……たしか、この大陸の神さまの名前も『ナギ』だったような……?」
ペ:「弟さん! いいとこに気が付いた! さすがや!」
チ:「え? そうですか? えへへっ」
ペ:「この大陸には『最高神』と呼ばれる神さんが三人おってな?」
チ:「ふむふむ」
ペ:「男神の『ナギ』と女神の『ナミ』、そんでもって、『ふたりの子供や~』って云われとるのが『ヨミ』っちゅう神さんなんやて~ェ」
チ:「そういえばナギさん、『ヨミにも困ったもんだ』とか『息子が関係して……』だとか喋ってたようやねぇ? ナギさんて、ひょっとして……」
ペ:「せやろ? ボクもソコが引っかかってん。それに彼、『神に誓いをたてる意味合い』の言葉や! って『マコト』て名前も付けちゃってるし……これで奥さんの名前が『ナミ』さんで、夫婦の間に少々揉め事が有る様なら、まず間違い無く本人やで」
チ:「揉め事? 召喚くんがマントを貰ったっちゅう『パチなみ』さんって人やったら、ナギさんイラっとするかもなぁ……」
ペ:「パチなみ? そんな『バッタもん』みたいな人が
チ:「ガサツでイラつく性格らしいでぇ~。まぁボクも、召喚くんが大げさに話すのを聞いただけ、なんやけどね?」
ペ:「でも、その人が奥さんだとしたら、子育てや教育方針でもめて二人は別居。子供も親元を離れたせいで、まだ未成熟で独り立ち出来てない……ヨミ教の聖典にもバッチリ合うで!」
チ:「おお! そういえばそんな風な話、ボクも前に『ジェイ』に、語った事あったっけ……」
ペ:「なんや? 弟さんも、知っとったんかいな?」
チ:「いやぁ、ボクが喋ったのは、ヨミさんが住んどるお月さんが、夫婦の神さんの仲を隔てる天の川を『ドンブラこっこ』、と流れてきたっちゅう昔話しや。神さまの事なら、神殿勤めの兄さんの方が詳しいと思うわ」
ペ:「ああ、アノむかし話しな。あれもな、まんざらホラって訳でも無いらしいんやで?」
チ:「え? ほんまの話しなん?」
ペ:「大陸中央の『火山帯研究センター』に勤める一番上の兄さんがな? ヨミ教法王国は、元は『島国』と違うて、大陸と『地続き』だったって言うねん」
チ:「ええっ! そうなん?」
ペ:「その地殻変動の言い伝えが、あの昔話しになったんじゃないかってな? おもろいやろ」
チ:「おもろいなぁ。ボク等の記憶に無いって事は、六千年より、もっとずっと前の出来事なんやねぇ……おもろいわ~」
ペ:「とにかく、ここに出て来た『ナギ』さんが『家族』に対して、特別な感情を持ってるのは、まず間違い無いようやね?」
チ:「そうやねぇ。神さんで有っても無くても、家族仲良く暮らして欲しいねぇ……兄さん」
ペ:「……ボク等の『おっかさん』も、何処かで生きているのかねぇ? 弟さん」
チ:「目蓋を閉じると浮かんでくる、この人だね? 兄さん……」
ペ:「弟さん?」
チ:「なんだい、兄さん?」
ペ:「ぼくたちの『おっかさん』って……なんか『毛深』くない?」
チ:「うん……それはボクも、前々から気になってたんだ」
「会いたいねェ……おっかさん……」
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