(一)-2
といっても、僕はこのとき、先輩のことは名前も知らなかったから、彼女の肩に手をかけて「あの」としか言えなかった。
先輩は驚いた顔をして僕のことを見た。その表情はすぐに不審の表情に変わった。まあ、普通はそうなるよね。たぶんあの夜のことは覚えていないだろうし。
だから、言った。
「あなた、この前、酔っ払って道端で寝ていましたよね」
先輩は僕のことをジッと見ていた。その直後に近くを若い女子大生二人組が「愛莉咲、おはよう」と先輩に声をかけてきた。
「何かあったの?」
二人組の片方がそう言って、僕の方をジロジロ見てきた。
(続く)
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