第4話
初めて体を重ねた日から、私達は快楽を求めあう関係になっていた。授業をサボって空き教室で交わったり、放課後に彼の家で交わったり、そんなみだらな関係を続けて数か月が経った。それと同時に、彼とルールを決めた。
一つ、お互い好きになってはいけない。
二つ、気持ちが高ぶった時はいかなる時も解消させることを優先する。
三つ、好きな人もしくは誰かと恋人関係になった時はこの関係は解消する。
そして、四つ目。この関係は高校三年間だけとする。
このルールをもとに私は学校生活を続けていた。心なしかこの関係のおかげで学校生活を楽しめている気がする。時には親友のライカと遊んだり、月と昼食を取ったり、クラスに友達はいなかったけど、それなりに充実した日々を送れていた。
あまりプライベートに干渉しすぎるのも良くないと思ったけど、月があまりにもおしゃれとか女性に対して無頓着だったので、休みの日は一緒に出掛けたりした。最初に月のボサボサに伸びきった髪を良くいく美容室で整える事にした。
「やっぱ、私の目に狂いはなかったね」
「んー……何か落ち着かないんだけど」
「何言ってんの。やっぱり月、結構男前じゃん!ビックリしちゃった」
元がいいのもあるけど、髪型を変えるだけでここまでイケメンになるとは……これは月曜日から話題になるかもしれない。次に服屋に行き服を見繕ってあげた。私が選ぶとちょっとヤンキーっぽさが目立ったファッションになって月が嫌そうな顔をしたので、とりあえず万人受けしそうな服を買った。
ただ、ヤンキーっぽい服も着させてみたかったので、こっそりと買ってプレゼントということにして無理やり受け取らせた。
服も買いひと段落した私たちはケーキバイキングへと足を運んだ。私も月も甘い物が好きで入店早々、色々なケーキを運んでは貪り食べた。
「ん~最高、今死んでもいい!」
「メイ。食いすぎじゃない?太るよ?」
「こんな時にそんなこと言うなし!太ってねーし!」
「嘘だ。だってこの前、お腹周りポッコリ……」
「ほら美女が食わしてやるよ。ありがたく受け取れや!」
余計な事を言う悪い口はケーキで塞ぐに限る。その後、砂糖たっぷりのコーヒーを仕込まれ、反撃を食らったわけだけど。
「あー今日は楽しかったっ!」
「何か久しぶりに長く歩いた気がする」
他にもウィンドウショッピングを繰り返して夕陽が暮れ始めたころ、自宅を目指して帰路についていた。私はまだまだ元気いっぱいでこれからオールカラオケいける自信があったけど、月は今にも寝そうなゾンビ顔をしていた。
「ねえ……月、今日どうする?」
「ごめん。流石に眠いよ」
「じゃあ、一緒に寝る?」
「やだよ。メイ夜這いしてくるじゃん」
「いいじゃん。月なんだかんだで好きなくせに」
月にべったりとくっついて肩に頭を乗せた。私の予想通り月はダルそうな口調をしていたけど、まんざらでもなさそうな顔をしていた。
私達はそのまま彼の家へ一晩を明かした。裸でベットに寝るのは結構気持ちが良くて、月の体温を感じながらこの関係がこのまま続けばなと思いながら深い眠りに落ちた。
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