10月

何でも『アカン』って言わんといて

「〜しちゃダメ」

 ということに最近、違和感を覚えます。

 特に「悪いことをしてはいけない」。

 正確には「してはいけない」ではなくて、「しない方がよい」ではないかと思うのです。別に、「いけない」「ダメ」という言い方が「ダメ」と言いたいわけではないのですが。

 この言葉に対する違和感、というか忌避感をぼんやりと抱えていたのですが、今日、ふと思いつきました。

 私は禁止されるのがイヤなのです。無闇に干渉されるのがイヤなのです。

「物を盗んではダメ」「人を殺してはいけない」。たしかに、それはそうかもしれません。社会を平和的に回すためにルールとして、禁止するのはわかります。

 ただ、事象として「ダメ」とすることに疑問を感じるのです。

 だって、「悪いことだから、禁止」というのは、あまりに大雑把過ぎませんか。そもそも、「悪い」ことは状況・環境・視点によって変わります。ひとつの事象に「良い」側面と「悪い」側面があるのは普通のことです。それなら、善悪を基準に禁止すると、世の中は上手く回らなくなってしまう可能性もあります。

 そこで、私は思いました。前に挙げた「しない方がよい」。禁止する「ダメ」よりも、選択肢の優先順位を下げる言葉の方が適切なのではないでしょうか。

 生きている中で、誰も2数多の選択肢があって、その中で現状に対して一番都合のよいものを選んでいるはずです。ならば、できるだけその選択肢を選ばないようにすることで、禁止するのと同じ結果が得られるのではないでしょうか。

 また、他者から禁止されるよりも、自分で思考し選択するという行為そのものも、生き物にとっては良い影響があると思います。他人の言葉に従うことにも、メリットはありますが、自分で選択するということも忘れないようにしたい。……と、ぐるぐる考えた土曜日でした。

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