ティニー視点4 ミラお姉さまとお茶会

 お兄さまとマリーがミラお姉さまのお家に行くらしいから付いて来たわ。準備は終わったから今は、お家まで歩いているの!

 なんで行くのかしら?マリーの事?お兄さまがミラお姉さまにお手紙を書いていたのは知ってるもの。

 内容までは知らないけど......


「久しぶりにミラお姉さまに会えるわ!楽しみね。あ、マリーはミラお姉さまに会うのは初めてよね?」

「そうですね。名前も知らなかったし、朝にティニーから聞いたのが初めてかな?」

「ミラお姉さまはね、とても優しいのよ!きっとマリーも仲良くなれるわ!......そう言えば今日は、どうして3人はミラお姉さまのお家に行くのですか?」


 そもそも行くと聞いたのは昨日の寝る前。行く理由は聞く前に付いてきたのだから、何故行くから知らないわ。


「あぁ、それはマリーの事だね。記憶を取り戻すために学園に行かせたいってのが、カインドの言い文さ」

「では、ミラお姉さまとは会えないのですか?」


 会えないと私の来た意味が......

 いや、お兄さまとマリーが2人でコソコソするのもずるいから私も結果付いて来たわね。


「そうだね。話し合いには居ないかも知れない。ティニーは屋敷に着いたらミラの所に行って話し相手になってほしいな。ミラも帰省して話し相手に困っているかも知れないしね」

「......なるほど!わかりました!」


 流石ですわお兄さま!ふふっ早くお家に着かないかしら。




 お家に着いて、ロバートさんが直ぐ案内をしてしまったせいで、私もお話に参加する事になってしまったわ。

 そう思っていると、挨拶を終えたオーウェンさんが私に話を振って来た。


「そうだティニー、ミラなら自室にいる。話が長くなるだろうからね、遊んでもらうと良い」

「!ありがとうございます!オーウェン様!それではお母さま。ミラお姉さまと遊んできますわ!」


 やったわ!でも後でお母さまに怒られない様に、そっと部屋を出ていかないと!

 何処にいるのかしら?ミラお姉さまの部屋かな?

 

 部屋から出た私は、周りを見渡していると1人のメイドさんが近くにやって来た。


「お久しぶりです。ティニー様。お話は伺っておりますので、ミラお嬢様がお待ちの部屋まで案内をさせて頂きます」

「あ!ニア。久しぶりね。わかったわ。ありがとう、着いていくわね!」


 そうして、ニアに連れられて私はミラお姉さまの部屋に向かったの。




 ミラお姉さまの部屋に私を連れて来たニアは部屋の扉を数回叩いたわ。

 ニアって確かミラお姉さまの専属のメイドだったはずよね。


「ミラお嬢様、ジャーニー家のティニー様をお連れしました」

「えぇ、入って良いわよ」


 そうして私はメイドのニアに促されるまま入室をした。




 入室をすると、右手に大きなベットがあり、目の前には丸型のテーブル。その先に執務机が存在する何度か来た事のあるミラお姉さまのお部屋。

 ミラお姉さまは仕事中なのか勉強中なのか、何やら紙に文字を書いているわ。

 何かしら?


 そうして、少しの時間が経った後、ミラお姉さまが顔を上げて話しかけて来た。


「久しぶりねティニー。少し背が伸びたかしら?さ、そこに座って。少し早いけどお茶会にしましょう」

「お久しぶりです。ミラお姉さま!」


 そう言って私は、事前に用意されていたのか、こちら側に置いてある椅子に座った。ミラお姉さまの近くに行っていたニアは、いつの間にか紅茶や間食の準備をしている。

 はっ早い!


「ティニーは最近どうなのかしら?久しぶりに会うのだし聞かせてくれない?」

「えぇ!」


 そこから少しお互いの近況を話し合った。




「そう言えば、今日はカインドも来ているのよね?確かマリーちゃんだっけ?彼女を私の側近にしたいとか」

「そこまで詳しくは私は知らなかったけど、私もマリー関係だと思っていたわ!」

「でも、不思議よね。ディステットは今、学園に行ってて居ないけど、ここに居るニアも含めれば私専属はもう2人いるのよ。学園に行かせたいらしいけど腑に落ちないわね」

「お兄さまとマリーはとても仲が良いのです!この間も私に隠れて森に行きましたし......」

「へぇ?詳しく聞いても良いかしら?」


 ミラお姉さまに私の主観でこの間、2人が薪を拾いに行った話をミラお姉さまにお話ししたわ。


「カインドが優しいのは、誰より知ってるけどどうして彼女にそこまで肩入れを?......ん〜ダメね。一回は会ってみないとわからないわ」


 ミラお姉さまは少し悩んだ後顔を振り私を見つめました。


「ティニーから見てマリーはどう見えてるのかしら?怖い?優しい?」

「そうですわね......お家の仕事も手伝ってくれて、最近ではミスも減っていますわ。それに、お母さまから教わった事を夜に復習する程、真面目」

「......」

「たまに、そわそわしている時も有りますけど、私達に慣れてないと思えば納得できますわ。何よりマリーは、暖かくて好きです!」

「......凄く好評価で驚いた。尚更、そんなに良い子が大森林に1人で居たかが謎ね」


 マリーについて詳しい事まで私は知らないけど、数日一緒に暮らして来て悪い気持ちはしなかったのは本当なの。


「ありがとうティニー。参考にさせてもらうわね。ニアはどうかしら?今の話を聞いてどう感じたか教えてもらえる?」

「......そうですね。話を聞いている限りとても誠実さがあり無害である。それ故に記憶喪失が勿体無い。と言うのが私の所感です」

「きっと、ミラお姉さまもニアも会ってみると印象が変わるわ!」


 ニアって、褒めてる様でつまり「興味無い」と遠回しに言ってる様に聞こえるわ。


「ミラ様。ティニー様。そろそろ昼食の頃合です。お話は食堂にて、行ってはいかがでしょう」

「もうそんな時間なのね。ティニー?行きましょう」

「はい。わかりましたわ!お姉さま!」


 そうして、私たちは雑談をしながら食堂へと足を運んだのだった。

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