第1話

 時は流れ、私は三流の通信制短期大学に進学し、純は一流の大学に入学したらしい。


 私は海辺の街の寮に住み、純は「雫にすぐ会えるように」って、私が住んでる寮の近くで一人暮らしを始めたとか。


 大学1年の7月4日。

 カーテンの隙間から強い日差しを浴びて、私は目が覚めた。


 壁掛け時計を見れば朝の7時。


 いつものように、私は午後3時まで大学の課題をやる。


 お昼の12時頃になって、食堂へ行き、お昼ご飯を食べ終えた私は、スマホを見ながら自分の部屋に戻る。


 その途中、LINEに新着通知がきていた。


 開くと、純からだ。


《今日の17時にいつもの公園で待ってる》





 午後5時。

 浜辺近くのいつもは誰もいない公園に行くと、既に純が居た。


 彼は缶コーヒーを飲んでいるところだった。


「純はいつも早く来るよね」

「早く雫に会いたいって思うと、つい、早くなっちゃうんだよ」

「ねぇ、純」

「どうした、雫?」

「私たち、大学卒業したら結婚しよう。これからはそれ前提で付き合い続けていこ」

「俺も同じこと思ってた。賛成だよ」

「ありがとう、純」


 また腕を強く掴まれて強引にキスされた。


 純はいつだって強引だ。

 

 どうして強引なのか。


 それは私がシャイな性格だから、自分からキスできないことをわかってるから。


「今のは何のキス?」

「結婚前提に付き合い始める記念のキスだ」

「もっとキスして」


 私と純は、私の大学の寮の門限ギリギリ前までキスし合った。

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