第8話 戦利品解説していたら脳みそがお花畑になった回
王を殺したしたことに関して。
王を殺した罪と、聖女としての役目を勘案して死なないけど追放くらいかなと思っていたんだけど、以外にもお咎めなしだった。というか、城の宝物庫からお宝を持っていってもよいと言われる始末。聖女の役目、使命はそれだけ重要なんだろう。
さて宝物庫だが、王の変態プレイ用品ばかりで辟易した。こんなものは自室に置いておけ!
めぼしいものはというと、魔法のバックパック、ガーターベルトとタイツ、スカート用の太ももに取り付ける太ももバッグ、魔法の革手袋および魔法の革ジャケットなどであろうか。良いバックラーもあったが、翠乃沃土がバックラーにもなれるみたいなのでパスした。精子っぽい気配がするのでほとんどの女性ものもパスした。
魔法のバックパックはかなり凄い。容量無限ではないみたいだが、地球は、にっぽーんのギャルや意識高い系女子が使うような小さなバックパックの形をしているのに大体62リットルくらい入るようだ。こちらの単位だと60ルルト。
60ルルトだと登山バックパック並の容量になる。これがこの小ささでてにはいるなんて本当にすごい。
ガーターベルト式のタイツが手に入ったのは本当に僥倖である。これでスカートの下も寒くない!足を見られて恥ずかしくない!
風が吹くと太ももがチラ見えするんだが、これはこれ、チラリズムでえっちくて良いじゃないか。こんなの若い時しかできん。若くなってよかったー! でもスパッツの防御ははずさん。パンツはダメだ。ただし太ももを見せるためにかなり短いスパッツにした。太ももを見せない女子高生は存在しない。
性能面ではガーターベルト式なのでずりおちることがないのが最大にして最強であり、市井の品でないから質がかなり良い事が最高である。
白、黒、ピンクの3種類があったが全部白にした。日本ならおぜうさま以外は黒しかないと思うが、こっちの世界だと黒の方が少ない。西洋でタイツと言ったら白だった時代があったはずだし、この国は今そういう状況なのかもしれない。
どれもデニールは分からない。化学繊維ではないから。綿だからなあ、どれも分厚い、というだけ。厚手のタイツって所だ。
バックは上の革紐をベルトにかけて、スカートの内側を通してバック本体と連絡して重量耐性をつけ、太ももとバックを2カ所ほどぎゅっとベルトで縛ってズレ防止をする仕様で、スカートの内側を紐もバックも通るからスカートを履いていてもスカートが締め付けられずヒラヒラ動く。もちろんバックは動かない。こういうのはあって損がない。腰ポーチは可動域確保のために大型化はしにくい。太ももはそこまでじゃないからバックといえる程度には大きくなれる。取り出しやすさの面から下に伸びる限度はあるが。
革の手袋とジャケットは黒色で魔法がかかっている。自動伸縮機能付きで、どちらもしなやかで繊細作業をしているときも素肌でやっているように扱え、非常に防刃性能が高い。質量攻撃である打撃は賢者の魔法である〈空間障壁〉で大方勢いを削げるので、こすれるだけで切れるという斬撃から、上半身を身を守れるようになったのは大きな収穫である。ついでにカッコ美しい。薄い黒革ジャケット着てる白と青の制服女子高生、わるくないっす。
うん、こんなものか。さすがは一国の宝物庫という量だ。かなりの魔素を使うからほとんど使っていなかった賢者の魔法〈修理〉を何度使ってでも戦利品の機能全てを維持していく。絶対にだ。
また、私の服装は全てよいものにあつらえてくれるみたいだ。予備の品物含めて2着作ってくれるみたい。
ミニプリーツスカートの丈を長くし膝丈までに、プリーツのひだの数を増やすことをお願いした。構造は実は気に入っているので、長く着られるようにした。やっぱ制服構造そのものに魅力ってあるよね。どうせ丈は短くなる。成長するから。
ブラウスは全体的に大きくすることと、袖を長袖までにすることをお願いした。冒険者が素肌をさらすのはあまり良くない。手荒な作業もするし。
後は職人に頼んだ。ついでにマントも作ってくれるとのこと。女子高生的にはパーカーが着られるとうれしいのですがまあしょうがないですね。ジャケットあるしね。
新しい服や装備でわーいわーいをしている間に思春期スイッチがオンになったようで、人に恋するようになった。
人生二回目の経験なのだが、今度はしっかりと青春を謳歌できるのか? と思ったのだが、幸い頭の中は恋愛の事しかなかった。
ハーフジャイアントの血筋だからかもしれないが、めちゃくちゃ頭の中が愛の文字で埋もれていた。思春期ってこんなんだっけ? 私まだ15だよな?
そして私はエバンスという商人と恋仲になった。恋仲というか、愛欲仲間である。エバンスは聖女と恋仲という地位を生かした商売が出来る、私は恋愛っぽいことが体験出来る。表向きこれはこれで成立していた。論理感以外には何も問題なかった。
しかし求めるものが激しくなりすぎたとき、著しい能力の変化が起きた。
聖女の効果が発動しないのだ。ただの怪我を治すだけで魔素を使い果たすほど、回復の効果がでなくなった。単体回復は賢者でもできるが、範囲回復に病気回復、感染症の範囲浄化は聖女じゃないとできない……
急いで鑑定の神に見てもらうと、「聖女の機能が制限されてる。さてはめちゃくちゃハレンチなことをしたねえニヤニヤ」とめちゃくちゃいやらしい声で言われた。大正解だ、くそ恥ずかしい。
職業にはロールプレイも必要とされるのか。愛を貫くのがよくて、愛に溺れてはダメなのだな。
エバンスとは関係を解消することにした。
「ねえエバンス。聖女は身も心も綺麗じゃないといけないの、ごめんなさい、もうお付き合いをすることは出来ないわ」と言ったら、
「そっか、そうだよね、聖女様だもんな。また、また! また欲に溺れたくなったらいつでも来いよ!」
とあっさり引き下がったのでよし。男は単純だなー。って欲には溺れてねえよ! ……たぶん。
ただ、これだけでは聖女の機能が戻らなかった。
国の図書館で調べたところ、冬の中、清らかな滝に打たれて身を清める、という身の清め方が、聖女の機能回復というわけではないが見つかった。身を清めるという点では完全に外しているとはいえない。これをやってみるか。
新品の服などが到着する頃に冬が近づいてきた。以前にも北に行ったが、この国の北方面は手つかずで大変奇麗である。そこの滝に打たれるとしよう。
新品のマントは奇麗な紫色で美しかった。油を染みこませた強靱な革製だという。魔法の品ではないがエンチャントはかかっているので汚れや水、擦り傷に強いとのこと。純粋にうれしい。
冬山での生活に向けて発注したもこもこの毛皮装備もバッチリだ。
「王のせいで魂が汚れてしまったの。変な行為もしてしまったわ。だから魂を磨いてくる。死ぬかもしれないけれど、やらなければならないの。戻ってこなくても、探さないでね」
と、冒険者ギルドに伝えて首都を去る。めちゃくちゃに嘘なのでさらに聖女から離れてしまった感じがする。でもなー本当のことを話した方がひどいことになるよなー。
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