<3>

何ヵ月間かは1880年のパリの小学校に通ってたと思ってたら、ある朝、起きて、いつものようにパリの小学校に行ってみたら、2022年だった。小学校には前から仲良しのイレーヌちゃんが、やっぱりいた。まわりの友達みんなも、そして先生も、1880年の時と全くいっしょだった。

イレーヌちゃんのママは日本人だから、イレーヌちゃんは日本語もしゃべれて、パリでいっしょに日本語でしゃべってる。イレーヌちゃんは、いつも「お嫁さんになる~!」って言ってくれる。そしてボクのほっぺにチュッてしてくれる。

イレーヌちゃんとボクはオルセー美術館に2人でよく行く。2人で走って、カバネルさんの描いた「ヴィーナスの誕生」の絵のところに行く。2人とも、この絵、めっちゃ好きなのだ。

イレーヌちゃんのママは、ルノワールの描く女の子の肖像画が大好きで、その絵のモデルの女の子の名前から、イレーヌちゃんにイレーヌていう名前をつけたらしい。

イレーヌちゃんといっしょに、ショパンのピアノ曲のコンサートに行った。

パリの街でも、ボクは女の子に間違われる。イレーヌちゃんといっしょにいても、いつも女の子どうしの友達みたいに思われてる。



小学校3年生までパリにいて、4年生の時に広島の小学校に転校することになった。パリの空港まで、イレーヌちゃんも見送りに来てくれて、「わたしも日本のこと大好きだから、ぜったいに日本に行きたいから、それまで待っててね~」って言ってチュッてしてくれた。イレーヌちゃんは日本のアニメとか料理とかも大好きなのだ。

「わかった~!ぜったい来てね~!待ってるよ~!」ってボクもイレーヌちゃんに言って、日本行きの飛行機に乗り込んだ。


広島の小学校に行ったら、いつもボクに「お嫁さんになるーっ」って言ってくれる、さよりちゃんていう女の子と友達になった。さよりちゃんはボクのほっぺに、よくチュッてしてくれる。

さよりちゃんといっしょに、宮島の厳島神社に行った。大きな赤い鳥居が立っていた。

広島ではカレーライスに生卵をかけて食べてた。カキフライや広島風お好み焼きも美味しい。もみじまんじゅうや乳団子などの銘菓も。

ボクもさよりちゃんも走るの速いから、2人とも運動会ではリレーの選手に選ばれて走った。

さよりちゃんはピアノがめっちゃうまくて、羨ましい。


そのあと福島県郡山市に転勤になって、郡山の小学校に5年生で転校した。そこの同級生で、いつもボクに「お嫁さんになるっ!」って言ってくれる、美音ちゃんと友達になった。美音ちゃんは、ボクのほっぺに、いつもチュッてしてくれてる。

両親と美音ちゃんといっしょに、ステーキ屋さんに行った。ボクと美音ちゃんはお子様ステーキだったんだけど、両親の注文したステーキが運ばれてきた時 「あれー?肉じゃなくて魚やんっ」て2人で顔を見合せてて、どうやらサーロインを注文したつもりでサーモンステーキを注文したらしく、2人とも 恥ずかしくて顔をめっちゃ赤くして もじもじしてた。でも開き直ってサーモンステーキを勢い良く食べ始めて、「お肉のステーキ屋さんやのに、魚のステーキもあるんやな~っ!ひとつ勉強になったわ~」て言ってた。自分も、両親の食べてるの見てて美味しそうなサーモンステーキだなあ~って思った。それ以来、両親2人ともサーモンステーキ推しになり、週1で食卓にサーモンステーキ出るようになった。

美音ちゃんといっしょに、お正月にスパリゾートハワイアンズに行った。暖かかった~!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る