女の子みたいなボク。でも結婚してくれる女の子は、いったい誰なの?

ヤッキムン

<1>

日付けに2が並ぶ2222年2月22日。アイドルのライブに行き、その後の特典会で握手して、それからいっしょに撮った2ショットチェキにサインしてもらった。アイドルのさよりちゃんも「今日は2の多い日だよね~っ」て言ってた。それを更新して、2がもう1個増えるのは、あと2万年後。

2万年前と言うと世界史で習ったフランス南西部ラスコー洞窟の壁画を思い出す。2万年前の人も あれほど躍動感ある動物を描いてるのか。後期旧石器時代のクロマニョン人ですかね。

(それからさらに2万年前の4万年前にもインドネシアの洞窟に当時の狩猟の様子を描いた壁画があるらしい。)


高校生のボクは、好きなアイドルさよりちゃんのライブの余韻に浸りながら寝ていたら、その夜の夢の中にピアノが出てきた。

目覚めてから、ふと、ピアノって日本にいつ頃来たんだろうか?って思って調べたら、今から400年前の1823年7月6日にシーボルトによって日本に初めて持ち込まれたらしい。


ボクはロンドンで生まれた。テムズ川のほとりのアパートの外階段をトントンって登ったら玄関で、入って右側の窓の下に低いタンスが置いてあり、そのタンスの上にベビーベッドが置かれてあって、ボクはそこに寝てる。目覚めたら、ソファの上に、ちょこんと座らされている。

ママといっしょに、大英博物館に行くために、大通りを渡ろうと待ってたら、そばに、赤ちゃんを抱っこしたロンドンの若い女の人がいて、「ロンドンの車はビュンビュン激しいから、おたがいに渡るのたいへんですね!」って、ママに話しかけてきた。ママも、その女の人に、「大阪の車も激しいですけど、みんな平気で渡ってますわ。大阪もロンドンも、ピーターラビットのいるような場所じゃないですからね~」って答えていた。女の人も、「そうですね~」って笑ってた。それから、いっしょに、大通りを渡った。

テムズ川のほとりをベビーカーに乗って散歩してると、ロンドンのきれいなお姉さんとすれ違うから、いつも顔を見合わせながらドキドキときめいている。

ママとパパといっしょに、ロンドン動物園に行った。ボクはゾウさんのぬいぐるみを手にしっかりと抱きかかえていた。

いつも、ロンドンの人たちからは、女の子のように思われている。


そのあとパリに行った。パリの幼稚園の時に、家の近くの音楽教室でピアノ習ってて、その時まわりみんな女の子で、でも女の子と一緒にいるのがめっちゃ嬉しかった。それなのに、本当はずっと他の女の子たちと一緒にピアノ続けたかったのに、なぜが途中で、まだ始めたばかりでやめてしまった。両親のほうが、まわりみんな女の子ばっかりだったから、もう習わなくても良いって思ったみたいで。でもボクは女の子といっしょに、もっと習ってたかった。両親に「ピアノやりたいよーっ」って駄々こねれば良かったんだなあと。そうすれば両親も本人がやりたいのなら続けさすかって思って習わしてくれたかもなのに。そういう強い意思みたいなものをちっちゃい頃からもっと両親にも見せないと。意思表示。

幼稚園では、イレーヌちゃんていう可愛い女の子と仲良くなって、イレーヌちゃんはいつもボクに「お嫁さんになる~っ」て言ってくれている。そして、ほっぺにチュッてしてくれる。

イレーヌちゃんといっしょに、セーヌ川を遊覧船に乗って、ゆっくりとパリの街並みの風景を見ながら、セーヌ川を進んで行くのが、ボクもイレーヌちゃんも大好きだ。

それから、オルセー美術館に行って、イレーヌちゃんといっしょに、走ってカバネルさんの描いた「ヴィーナス誕生」の絵を観に行く。2人とも、この絵、大好き。

セーヌ川のほとりには、きれいな公園がいくつもあって、白や黄色やピンクや紫などの色とりどりの花も咲いていて、良き香り、めっちゃ漂っていて好きだ。イレーヌちゃんといつもよく散歩している。ボクは女の子みたいだから、イレーヌちゃんとも、女の子どうしの友達みたいに、まわりのパリの人たちからも、そう思われてるみたいだ。


ボクは小学生になっても女の子みたいで、中2の頃になると 本格的に女子に目覚めた。海に行っても 肩幅はせまいし、ウエストは細くくびれてて、おしりはかわいいし、どこからどう見ても女子だった。家では、1人になったら、いつも速攻で三面鏡を開いて、はだかになり、可愛い下着をつけて、ひとりでエッチな格好をして、それを眺めてるのが好きだった。

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