第3話

(入口にカラス、なんか女の人と一緒)

カ:どうだった?

ミ:素晴らしかったです。はい、ハーデルがお花のお礼を(カードのサインを渡す)

カ:へぇ、すっかり役者だね。サインもサマになってる。


(シルフィと彼女の家の前で別れる)

ミ:お芝居凄かったです。舞台の上で別世界が繰り広げられてて…。

そうそう、ハーデル、主役だったんですよ!びっくりしました!

登場人物になり切ってて、ハーデルじゃないみたいでした!

カ:楽しめたみたいで良かったね。

ミ:カラスさんもぜひ…なんて、どうせ誰かと見たことありますよね。

カ:ちゃんと見たことはないよ。陰から覗いたことはあるけど。

ミ:…それって(女優さんと…)

カ:芝居が気に入ったのなら、知り合いに頼めるけど?

ミ:け、結構です。

カ:…君が想像してるようなやましい関係じゃないよ。

俺の小説の出版関係で知り合った戯曲作家さ。

ミ:カラスさんが書いてる小説って…官能小説ですよね。

カ:お子様ミズカには無縁の代物だね。

ミ:わっ、私だってっ…!いつまでも子供じゃありませんから!

カ:ふふ…どうだか。見た目がお子様の内は認められないなぁ。

ハーデルにあの頃と殆ど変わってなくてガッカリされなかった?

ミ:…明後日ハーデルと会う約束をしました。

カ:は?へぇ…人気役者とスキャンダル、か。

ミ:違いますよ、友人として会うんです。

カ:二人で会うならそうなる可能性はあるでしょ。考えなかった?

軽いなぁ、ミズカは。

ミ:カラスさんに言われたくありません。さっきだって女の人と一緒だったし…。

カ:俺はミズカと違って大人だからね。

ミ:お、大人なら無差別に手を出していいんですか?節操なし。

カ:ふーん。手を出すだの節操なしだの、一丁前に罵倒できるようになったねぇ。

成程、いつまでもお子様じゃない、と。

(グガバ)

ミ:ひゃ!

カ:手を握っただけで真っ赤っか。やっぱりお子様だね。

(手を払う)

ミ:やめてください、そういうの…!

カ:明日ハーデルが同じことしてくるかもよ?

ミ:ハーデルはこんな事しません!貴方とは違いますから!

カ:ずいぶん信用してるね。

ハーデルだっていつまでもあの頃のままじゃないんだよ。


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