あちこちに分からない言葉や誤訳、もしくは翻訳しきれない語などがある独特の語りで綴られるお話です。そこがSFらしく、難解にも感じられますが、慣れてくるとそれが語り手の感情をより繊細に描かれているように思えました。そんな中で扱われる『びっくりするほどユートピア』。予想外でありながら、納得でした。重厚なSF設定と、現実の地球社会。それをとても巧妙に繋げられた素敵な作品です。いろいろと考えさせられました。