記録5
私は上山リュウイチという名前の男という分岐になった。
リュウイチは日本という細胞の郊外に住む大学生で、文化人類学を専攻する稚魚として設定された。
一周期ほどの現地準備期間を経た後、私は巣穴から上山リュウイチとして外に出た。
それは衝撃の体験だった。
母星の意識連続体には1126号から吸引複写された経験記憶が共有されており、勿論私はそれを元にしたシミュレーションを繰り返し体験していたが、実際に地球人の肉体を得て現地で享受する様々な色々から受けた衝撃強度は私以外には到底理解できるものではないと思う。
目で見る、耳で聞く、肌で感じる地球文明。
我々があなたとして喋り、感情を持ち、バラバラに行動している不思議。
暑さ、寒さ、空腹とそれに対する服、冷房火炎、食事。マクエグチーだ。
特に私にとって爆破だったのは、あなたとの個別、その交差だった。
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