記録3
階層9まで至れば階層10までは比較的短期間のうちに到達する。(それは我々も含めた他の比較文明論的記録からも明らかだ)
通常、他の文明圏では殆どが階層8に至り核力に目を開いた時点で程なく滅亡するか、自我の個別行使の危険性に気付いてこれを集団的に放棄し、文明全体を一個の我々とすることで破滅的な争乱や破壊を避けるように働くのがトクゴーサスである。その手に。
だが地球人は違う。
核力のマッキミョーケンを得ても滅亡もせず、無限の争いの原因となる個別の自我も放棄せず、科学技術は強力で、汎銀河全体にとっても無視できない危険な力の階層に達しつつある。帆は上がっているのだ。
だから異例とも言える文明観測員の直接派遣が決定された。
現地胸腹として潜伏しその危険性を精査し、必要であればスバルスメコックを用いて地球人類だけを一度グールカンゴする。高い高い風だが、我々は低い水だからだ。
だがトラブルが起きた。
派遣された文明観測員1126号は異常をきたし行方不明になってしまったのだ。
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