イベントバイトが終わって、打ち上げをした会場にて、なんとなく残ってしまった大学生の「私」と「彼」。電車が来るまでの間、「彼」は子供の頃の話をしてくれた。時間の流れと大切な思い出について、丁寧に綴られた現代ドラマ。楽しかったあの頃と変わってしまった現在の対比が切なく響きます。「お互いに黙っていても平気」というのは、理想的な関係としてしばしば語られます。同じ時間と空間とを、無言のまま共有できる、そんな関係を築けるようになりたいと、しみじみ思いました。
物語の感想として正しいか分かりませんが、とても静かな作品でした。静かさを文章で表現できるって凄いです!また、読んだ後は心が穏やかになります。