シオン

あれから何年経ったのだろう

君のこと 忘れた日なんてないけど

少しずつ思い出が色褪せていく


今 君はどこで何をしているの

僕は相変わらずだけど

少しくらいは大人になった気がするよ


「ありがとう」や「ごめんね」も 

ちゃんと言えるようになったし

欲張りな程 愛を求めることもないから

傷つけたりも 寂しがらせもしないで

丁度いい距離で 君と向き合えるはず


だからもう一度 逢いたいよ

逢えるわけないとわかっているけど

せめて どこかですれ違った時

心のどこかに 僕が残っていて欲しい


あれから月日が流れて

季節はいくつも移り変わって

あの日の雪はすっかり溶けて無くなる


「大好き」だとか「愛してる」を

押し付けるばかりだったし

身勝手な 夢を描いてた

君が欲しかったもの 今ならわかるんだ

もう遅いけど 渡したかったなあ


だからもう一度 抱きしめたいよ

もう叶わないとわかっているけど

せめて 夢の中で何度も繰り返す

君の香りが 少しでも残っている間に


出逢った日も 隣にいた夜も

求め合うことも 避けることも

もう何もない 僕等には何にも


だからもう一度 逢いたいよ

逢えるわけないとわかっているけど

せめて どこかですれ違った時

心のどこかに 僕が残っていて欲しい


心のどこかに 君が残っていて欲しい





















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

詩詞 紫耀 @siyoh

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ