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目次
ヒロイン
終わった昨日たちをかき集めて
良かったことだけ切り繋いだ
素敵な音楽をつけたら
一本の映画になるかしら
キレイな衣装で着飾って
都合のいい台本を書いた
だけども中身は空洞で
夜空に星は一つだけ
観客なんていらないわ
狭い映画館で 一人ぼっち
暗闇の中 しゃがみ込んで
何回だって繰り返し観るの
運命の出会いも 笑い合った日々も
作り物だったなら いつか飽きて
観返すこともなくなるのになあ
胸の痛みも 流れる涙も
演じてたのなら 私は大女優ね
いつまでもキラキラしたヒロインだわ
出来上がったフィルムを見直して
気に入らないところは切り捨てた
記憶の奥へとしまい込めば
もう二度と思い出すことはない
脇役なんていらないわ
二人きりの この世界
余計なモノは必要ない
だから邪魔だけはしないでね
初めてのキスも 結ばれた夜も
作り物だったなら いつか忘れて
他の誰かを愛せるのになあ
最後の言葉も 振り払ったその手も
演じてたのなら あなたは名俳優ね
いつまでもキラキラしたヒーローだわ
続きを作る気にはならないわ
相応しいキャストなんていないもの
だからこうして この一本を流し続けてるの ずっとね
私がヒロインだったのになあ
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