第37話
「ちょっと!これ何なのよ!」
小林は耳を塞ぎながら、俺の脛を蹴ってきた。
「痛った、何なのってさっきのお前と同じ状況だぞ!」
「そんなわけないじゃない!私がこんなになる訳ないじゃない!」
遥香を指差しながら、次は膝を蹴ってきた。
「お前、重度の記憶障害かよ……………………」
「誰がよ!そんなに言うなら証拠見せなさいよ!証拠!」
「見せたら認めるんだろうな」
「それは証拠があれば認めざる負えないわ」
「よし、分かった」
マジで小林は重い病にかかってるかもしれない。
多分、結構特殊な精神病。
暴力、虚言、多重人格、記憶障害……………………
あげたらきりがない。
いつもなら何も認めない小林だが、今回は証拠という最強の武器がある。
俺はカーテンレールに忍ばせている隠しカメラを取り出すと、
「パソコン借りるぞ~」
絶対聞こえてないだろが、一様一言伝え、パソコンとカメラを繋いだ。
そして、カメラのファイルを開き、例の動画を表示させた。
「これがお前だ」
その動画には、先程までの光景がすべて記録されていた。
それを見た小林は、
「私、こんなんだったの!?」
本当に知らなかったリアクションを見せた。
「これで信じたか?」
「えぇ、凄いわね」
「ちなみにこの映像は今さっきクラウドに保存しといたから」
「…………………………………………え?」
「だから、次お前が嘘ついたり何かしたら、この映像を全校集会でお前が前で話している時に流すから覚悟しとけよ」
「……………………………………………………………あう」
「分かったか?」
「……………………。」
「おいおい」
「…………………………………………」
また小林はその場に固まり、しゃべらなくなった。
「マジかよ」
これは、もう駄目だ。
「なんで私がこんな目に合わなきゃいけないの~~~~~!!!!」
本日2度目、暴れ始めた。
遥香の部屋の中には、床に転がりながら泣いている女子2人と、それを頭を抱えながら見る俺の姿があった。
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