第34話
「優穂いつまで暴れてるの?」
遥香の発言から10分が経とうとしているが、一向に小林は泣き止むそぶりを見せなかった。
「なんかアクションを起こさなきゃこいつはずっと泣き続けるぞ?」
床に転がっている小林を足で突きながら、俺は言った。
凄いよな小林。
俺に足で突かれても、表情一つ変えずにずっと泣きわめいてるんだからな。
その場面によって変えるメンタルどこで手に入れんだか。
「アクションって例えば何すればいいのよ」
「小林の気が変わるような事言ったり、なにか一時的でいいから気を逸らすことをするとか」
「私はその何かを聞いてるんだけど」
「俺より小林の事は断然お前の方が詳しいだろ?」
「でも何かしらアイデアくらい出してくれてもいいでしょ?」
こうゆう場合、俺だったら何をするだろうか。
何でもゆうこと聞いてあげるとかが無難だが、それだと後から何を要求させられるか分からない。
かと言って、何か奢るくらいのものだとこの重症から立ち直るのは到底無理だ。
「ダメだ……………………エロマンガ渡すくらいしか思いつかない」
「それ、案外良い案かも。どうゆう系?そのエロマンガ」
「触手系とふたなり、あと男の娘とNTRかな」
「性癖偏り過ぎじゃない!」
鋭いツッコミを入れられてしまった。
「お前と同じ理論で、俺が何を読もうかお前には関係ないじゃないか!」
「でもそれを他人に貸そうとするのはどうかと思うよ……………これだから童貞は」
「誰が童貞だ!まぁ童貞だけど!お前だって人が言うしょうもない下ネタが嫌いなくせに、自分が言う下ネタと高度な下ネタが好きっていう異常性癖の持ち主だろ!しかも自分で言う下ネタは小学生レベルのやつ!」
「そうよ!それの何がイケないわけ!?」
昨日に引き続き、遥香は開き直ってしまった。
「なら俺の性癖の何がイケないわけ?」
「別に否定はしてないわよ!?人に貸すのはどうかしてるって言ってるだけ」
「なら俺もお前の性癖については否定しないよ!」
「はぁ~そうですか!?そうえば言ってなかったけど、リビングで言った下ネタ引くとか言っちゃったけど、けっこうセンス良かったわよ!」
「そうかよ、ありがとう!それならこっちもあるぞ!」
「なによ!」
「図書室で見てた切り抜きの動画、詩●の『もじぴったん』はセンスいいと思うぞ!」
「そうですか、ありがとう!」
言い争いをしていたのに、いつのまにかお互いを褒め合っていた。
「それでー、どうする?」
一度冷静になり、俺は遥香に聞くと、
「良い案思いついた!」
と、閃き顔をした。
「良い案とは?」
そんなに自信満々な顔してるんだったら、真面目な回答を期待していいんだよな?
「優穂、処女だし山崎君の事好きだからここに連れて来てヤラせてあげようよ」
やはり、期待しない方が良かった。
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