第33話

「なんでなんでなんでなのぉ~~~~~~!!!!!!」


小林は床で手足をジタバタとさせ、ぎゃーすかと泣いていた。


「ほら始まった」


「何が「ほら始まった」よ!本格的に何とかしないよ!」


「そんな事言われても、俺はどうすることも」


「そもそもあんたがバラさなきゃいい話じゃない!」


「ならな~、そもそも学校の図書館で下ネタ言ってたお前が悪いじゃないかよ!」


元凶はそもそもお前なんだぞ!?

なんで学校で下ネタの切り抜き動画を見ようという思考になるのか、俺には全く理解できない。


そうゆうのは家で見るものだろ?

それを口に出すとかもっとおかしい。


「そ、それは……………………私がどこで何を見たっていいじゃない!」


「モラルを考えろ!モラルを!」


「あんたは人の心を考えなさい!」


「それに関しては言い返せない!」


俺達は言い争いをしている間、


「もうやじゃぁぁ~~~~!!!!」


小林はずっとお乳を待っている赤ん坊の様に泣き叫んでいた。

なんか、子育てしている親の気持ちが分かった気もする。

今、これを小林を通じて知ったのがなんか複雑な心境だ。


「小林さーん。そろそろうるさいんだけど~?」


暴れている小林をお構いなしに聞くと、


「知るかぁ~~~ボケぇぇ~~~~!!!!殺すぞぉ~~~!!!!」


その声は更に10倍増しでうるさくなり、赤ん坊の泣き方から絶叫へと変わった。


「これ以上うるさくさせてどうするのよ!バカ!」


「じゃぁ他になんて声かければいんだよ………………」


「それは――――――――――自分で考えなさいよ!情の心ないわけ!?」


「国語の点数低い俺に文章力を求めちゃいけないぞ!?」


前回の期末テルト26点だぞ!あと1点で赤点だったんだぞ。

加えて、女の子に慣れていない童貞が泣いている子に掛ける言葉なんて知ってるわけないだろ!


これは綺良と駿水にダメ元で頼るしかない!

俺はスマホを取り出し、2人に同じ内容をラインした。


『泣いてる女の子になんて声掛けたらいい?』


だが、まともな答えが返ってくるはずもなく、


綺良『ここで泣いててもわからないよ。今日家泊まっていきな。ゆっくり話聞くから』


ここまでは良かった。


『それで、相手の弱ってる時に優しくすると甘えてくるから、そこを狙ってヤる!これで生中で出来る確率も上がる!』


駿水『今日はいっぱい泣いていいよ。それで明日からがんばろ!だからちょっとどこかでゆっくりお話しようか』


こいつもここまでよかった。


『それでホテル行ってブチ込む!』


その文章の後に、2人ともグッドマークのスタンプが送られてきた。


「このヤリチン使えね~!!!!」


俺は、持ってるスマホを遥香のベットに投げつけるのであった。

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