第25話

「え?」


「え?」


俺たちは顔を合わせながら、首を倒した。

そして、俺は一回深呼吸をして真顔になった所でまた小林に聞いた。


「今から遥香の家に行くのってマジ?」


「マジだよ」


「なんで遥香の家に行くんだよ、俺はあいつにマックって伝えたはずなんだけど」


「大事な話があるって遥香から聞いてるから、誰にも聞かれない所がいいんじゃないの?」


「そうか…………………………………って、えぇぇ~~~~~!!!!!!」


おいおい、そんなの一ピコメートルも聞いてなかったぞ!?

遥香の家と言えども、おお女の子の家だし俺(童貞)は女の子の家に行くの初めてなんだからな?

しかも、ド変態で元陰キャでちょっと可愛いとか初めてにしてはハードル高くないか?

俺はそう絶叫していると、


「もしかして、有馬くん女の子の家入ったことない?」


「自慢じゃないけど、女の子の家どころか、女の子と手を繋いだことすらありません!」


恥ずかしながらこの16年間女の子とまともに関わりがなく、接し方すら危うい。

あ、手を繋いだことはあった!

幼稚園の時に、遠足で隣の事……………………。


あれ、なんか目から汗が出てきた。

拭っても止まらないぞこれ。


「あんた泣いてるの?」


「な、泣いてねーよ!バカか」


目を擦りながら強気で言うと、ふーんと少し体を後ろに引きながら俺を見てきた。


「そうゆうお前は男の家入ったことあるのかよ」


小林はこの問いにまだ答えられないだろう。

だって陰キャの事バレてないと思ってるし、そもそも高校入るまでまともに男と話したことないだろこいつ。

人の事言えないけどな。


「私は普通にあるわよ、男子の家くらい」


「ホントか」


「ホントよ。こんな無駄なウソつくと思ってるの?」


もちろん思ってるよ!

今も平然な顔でお前は嘘ついてるからな。

なんだよその『私嘘なんかついてないから、何にも隠してないからね?』みたいな顔は。


しかもその顔で首を傾げるなよ、俺が悪いみたいに思えてくるだろうが。

完全潔白一体全体無罪なのによ!


「まぁ、後から分かることだからいっか」


「後からって?」


「とりあえず遥香の家行くぞ」


俺はスマホをポケットに入れて、教室を出るのだった。

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