第24話

小林が来たのは、湊あ●あがAPEXでチャンピオンを取った時だった。


「いやー、そこまで待ってないぞ」


俺はイヤホンを取りながら後ろを振り向こうとすると、


「あー!!湊あ●あちゃん見てる~!」


小林は俺のスマホを取ると、まだ終わっていない生配信をガン見した。


「なに、お前こうゆうの好きなんだっけ?」


「少し前に見てハマっちゃったの」


「へぇーなんか意外だな、お前がVtuberとか見てるとか。てっきりAVとかエロ漫画しか見てないかと思った。それとしみ●んチャンネル」


「その偏見はやめろ!特に学校では口に出すな!」


「はいはい、分かりました。でも有名どころしか知らないだろお前」


「私、こう見えて結構詳しいんだからね」


と、スマホを俺に向かって投げた。

この変態がエロ以外に興味があったなんて、なんか大発見をした気持ちだ。


しかも、この学校はあまりそうゆう動画を見る人は少ないから、同じ趣味の人と話せる人のは嬉しい。

嬉しいが、小林っていうのがなんか複雑な気持ちだ。


なんでみんな『コム●ット』とか『水溜り●ンド』なんだよ!

せめて、ブライ●ンにしようよ!

少し顔をしかめている小林に、


「お前、Vtuber誰好きなんだ?」


せっかく趣味が合う人を身近な人(そこまで身近ではない)を見つけたので質問した。


「えとねー、特に好きなのは鈴鹿●子ちゃんとか、夏色ま●りちゃんとか月ノ●兎ちゃんとかかなー」


「それ全員下ネタVtuberじゃねーかよ!」


お前の下ネタの元凶ってこいつらじゃないのか!

それならものすごく納得がいくよ!?


鈴鹿●子についてはBLまでハッピーセットでついてくるぞ、嬉しい事に!

いや嬉しくないけど!


「べ、別にいいじゃない!私が誰を好きだって!」


「その少女漫画の悪役ヒロインみたいなセリフはやめろ」


「あの人たちは、話面白いしゲーム上手いし……………………下ネタあるし?とにかく最高なの!!あんたもどうせそっち系好きなんでしょ!?」


「俺はぺ●らとかガウル●ラの方が好きだわ!」


見ないことはないけど、確実にグラちゃんの方が可愛いから!あれは天使だから!

小林はこれを聞くと、グーの根を上げその場で握りこぶしを作っていた。


「お前が下ネタ好きになった理由が分かったよ。この淫乱女め」


「だから、ここでそうゆう呼び方はやめろ~!」


小林は、先程作っていた拳を俺の頬へと向かって勢いよく伸ばした。

その研ぎ澄まされた鋭い打撃はもろに食らった。


「痛ってぇ~」


こいつ、このあと陰キャって事実を突きつけられるのに俺の事殴っちゃっていいのかな。

俺は床に倒れるまでの間にそんなことを考えているのだった。


「んで、遥香はどこにいるんだ?」


俺は頬をさすりながら起き上がると、小林に聞いた。


「もう先帰ったわよ?」


「え?なんで?」


「多分だけど、部屋の片づけする為に先帰ったんじゃないの?」


「なんでマックに行くのに、部屋の片付けをする必要があるんだ?」


「だって、今から私たち遥香の家行くじゃない?」

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