ヤリチンと元凶
第20話
遥香と小林が陰キャと分かってから10時間後、学校のホームルームを向かえていた。
昨日の夜、遥香から鬼のようにラインと電話が来たせいで俺は睡魔に襲われ、まともにホームルームを受けられなかった。
どんだけ心配してんだよ!
俺の事信用しなさすぎじゃないか?
信用できないのは一周回って分かるけど、自分の口から言ったんだから自業自得じゃない?
しかも、送られきた内容が『絶対言わないでよね』『返信してよ』『もういい』など、まるで
メンヘラ彼女が深夜に送ってくるような感じであった。
ちょっと綺良の気持ちが分かるな。
言い忘れていたが、綺良は2か月ほど前から彼女が居て重度のメンヘラらしい。
毎日寝落ち電話&暇があったらラインする。
少しでも返信が遅かったら電話が掛かってくるらしい。
その時に「大変だけど、まぁエッチ尽くしてくれるしそこまで気にしないかな」とか言ってたな~。
そんな彼女がいる羨ましい奴の話はどうでもよく、ホームルームが終わると遥香から、
『屋上集合』
と、ラインで呼び出された。
1時間目まであと15分。
その間に話が終わればいいのだが……
クラスの人に怪しまれないように屋上に向かうと、下ネタモードの遥香がそこにはいた。
「話ってなんだ?」
俺は遥香の隣に座り、話しかけると
「なんで昨日返信してくれなかったの!!しかも既読無視だし!」
半泣きのまま俺の胸ぐらを掴んで、前後に振ってきた。
「お前アホか!夜中の3時まで1分おきにラインしてくる奴に返信なんてできるか!」
「女子にラインされたら、例え夜中でも返すのが基本でしょ!前戯なしに本番するくらい常識ないわね!」
「――――――――――え?」
「だから、エッチの時前戯なしにすぐに本番したがる男みたいに常識ないって事よ」
「あ、はい…………………………………………ってどんな例えだよ!」
いきなり前戯の話おかしいだろ!なんでいきなり下ネタ!?
もっとましな例えはなかったのかよ。
しかも俺はちゃんと前戯するよ!童貞だけど!
「いや、もう陰キャの事もバレたし、隠す事ないし、これからは下ネタも葵の前ではオープンで行こかなって」
「オープンじゃなくていいし、これ以上問題を増やすな!」
「下ネタの何が問題なの?別にいいじゃない?」
「何にもいいことねーよ!」
ただでさえめんどくさい性格してるのに、そこに下ネタが合わさったら俺のメンタルが持たなくなる。
「とりあえず、今はこんだけ。授業始まるからいくわよ」
遥香はそういうと足早に屋上を去っていった。
俺は、遥香が階段を降りるのが見えると、その場にしゃがみこみ、
「終わった……………………」
と頭を抱えるのであった。
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