2人は下ネタ好きであった
第16話
その後、中学校の話や普段の学校生活での話を1時間ほどして、この不思議な会は御開きとなった。
小林を駅に送るため改札の前まで移動した。
「いやー今日は楽しかったね」
歩きながら小林がいった。
「どこが楽しいんだよ」
「結構話盛り上がってたじゃん?」
「そうだけどほとんどはお前らの黒歴史だろ?」
俺は遥香を横目に見ると、
「うぎゃぁ~~!!」
遥香は頭を抱えながらその場にしゃがみこんだ。
どうやら黒歴史という言葉に弱いらしい。
てか弱いに決まってる。
先程まで話していた内容が黒歴史と言っただろ?
その黒歴史の半分以上が遥香のものであった。一生秘密と誓った内容も調子に乗った小林に言われてしまったらしく、遥香の精神はズタボロであった。
「もうやめでぇ~」
「なんでだよ、だって学校のトイレで――――――――――」
「うわぁ~~~~~~~~~~~!」
俺が黒歴史を言おうとすると、遥香は大声で俺の声をかき消した。
それも駅のど真ん中で………………………………………
痛い、周りからの視線が痛すぎる。
そのゴミを見るような目で俺たちを見ないでくれ。
そこの親子、「なんで、あの人叫んでるの?」「こうゆうのは見てはいけなのよ」とか聞こえる声で話さないで。
静かだったら可愛い女の子が、駅で絶叫してるんだぞ?
傍から見たらカオス極まりないだろう。
しかも遥香は俺に言われるのが怖いからか、ずっと叫んでいる。
「小林、これどうにかしろよ」
俺は小林に助けを求めるが、
「ごめーん、私帰るねぇ~」
テヘっと頭に手をやり、全力ダッシュで改札に消えて行ってしまった。
この野郎、めんどくさいことから逃げやがって。
いつも原因作ってめんどくさくして逃げるとか、この●ばのア●アみたいじゃんか!
一番嫌われるタイプ。
ホント、明日学校で過去の事バラすぞ。
まぁバラしたところで意味はないんだけど…………………………………………
俺はその後、遥香を何とかして静かにさせ、自販機で飲み物を奢り公園のベンチに腰を下ろした。
ベンチに座ってからの事、遥香はジュースを飲むと正気を取り戻した。
「ぷはぁ~。やっぱり奢られるジュースは自分で買うのの100倍おいしいわ」
「俺は奢ったつもりないからな。今度きっかり返してもらう」
最初は奢ってやろうと思ったが、その一言で俺の善意は消え失せた。
確かに、人に奢られるものはなぜかうまく感じる。例えば焼肉とか。
でも、それを奢った人の前で言うのは礼儀としてどうかと思う。
こいつはモラルってものがない。モラルが。
「まぁジュース代くらい返すけど、その代わり今日の事忘れてくれない?」
ペットボトルの蓋に口をつけながら遥香はそう言った。
「え、あんなの忘れろって言っても無理でしょ」
うん。絶対に無理。
「なら私が記憶なくしてあげようか?」
「どうやってやるんだ?やってみろよ」
俺が少し挑発すると、遥香は俺の方に段々と近づき、頭に手を置き俺の顔をまじまじと見始めた。
最初のうちは「こいつ何してんだ?」とにらめっこ状態が続いたが、遥香の顔をじっと見ていると、なんだか恥ずかしくなってきた。
それはそうだろう。
だって黙っていれば普通に学校で1~2位は争う美少女だからな。
普段はその容姿を隠しているが、下ネタモードに入った遥香は性格を除いたら完璧モテモテであろう。
俺は少し目を逸らした。
このままだと照れている事がバレてしまう。
だが、このままやられっぱなしもヤダ。
だから俺は反撃に出た。
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