第13話
そして正門で2人の事を待っていると、
「おまた~」
先に小林がやってきた。
「委員会の仕事で少し遅れちゃった」
「いや、まだ時間まで3分もあるし、遅刻もしてないぞ?」
「そうゆうことじゃないんですよ、葵くん」
小林はそういうと指をぴんと立てて、
「女子高生という者は、待ち合わせの10分前には現地にいなければいけない存在な
の。これを破ったらラインとかで無視されたり、いじめの対象になる」
「今の女子高生こわ」
闇じゃん、現代社会、女子高生の闇じゃんか。
待ち合わせ10分前とか、そんな事になるんだったら待ち合わせとかしなくてよくない?時間とか決めなくてもいいんじゃないの?
「まぁ、とゆうことで私は来るのが遅かったって訳」
「わ、分かった」
とりあえず、納得しておこう。
俺は遥香がいないうちに小林に聞くことがあった。
「小林、お前が遥香に下ネタを吹き込んだってホントか?」
そう、こいつが下ネタの権化なら何かしてもらおうと思う。
だって俺、遥香の性格を隠すのに巻き込まれてるし、それすごい迷惑だし。
それを聞いた遥香は、
「え!?…………………………………………ワタシジャナイヨ……………………ホントダヨ」
目を泳がせ、カタコトになった。
これは確実に小林がやったな。
「俺が聞いた話によると、小林が遥香にエロ動画や同人誌エロアニメ、エロゲーまでやらせて下ネタにハマらせたと聞いたんですが、間違いないでしょうか?」
「――――――――――――――ソンナノシリマセン」
小林は、さらに魂が抜けたような表情になった。
「じゃぁ、遥香が来たら聞いていいでしょ?本当に教えてないなら」
「ソレハ、ダメデス」
「なら認めたら?」
「……………………………………………………………………………………」
遂に黙ってしまった。
知られて嫌だったらなんでそんな事するんだよ、遥香もだけど。
俺は大きくため息をついた。
その数秒後、
「お願いだから~~~~~~~~~誰にもいばないで~~~~!!!!!!!!!」
普段では絶対見せないような表情で俺に泣きついてきた。
しかも、前の遥香みたいに……………………………………………反応の仕方が、あの時と同じだった。
まさか…………………………………………
「お前も学校でキャラ作ってる?」
「はひぁ~。だばしででづみまぜんでしだ~~」
やっぱりそうだったのか。
それなら遥香に下ネタを教えた理由が何となく分かる。
そこから遥香と小林の関係について教えてもらった。
まず、小林は小さい事からエロい物が好きで、それを誰かと一緒に共有したくて入学当初から仲が良かった遥香にその話をしたと。
そこから遥香は下ネタにめり込み、ドハマりしたという訳だ。
だが、遥香はなぜか人から聞く下ネタは高度なの以外嫌いで、自分で言うのが好きなそうだ。
それで、高校からはお互いを庇う為に一緒の高校に入って、キャラを変えて生活をしてると。
「こんな感じか?」
俺は確認のため小林に話を整理して言うと、
「はい、一文字も間違いございません」
グスリと鼻を鳴らしながら答える小林。
遥香の時とは違い、俺は関心を覚えた。
「お前凄いな。性格隠しながら生徒会長やって、みんなに慕われて、勉強できてスポーツもだなんて」
「私はただ、本当にこの性格がバレたくないから普段の私とかけ離れてることをしてるだけで、なんにもすごいことは……………………」
「それがすごいんだよ、普通はそれができないんだって」
「そ、そうかな」
小林は頬を赤く染めながら、微笑んだ。
遥香とは違って、小林はすごいのだ。
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