第2話 3次元に2次元は存在する

「嫌です」


「どうしてですか!そんなに可愛いのに!」


 辛辣にも無表情で淡々とそんなことを言ってくる幼女先輩


「ちなみに先輩の名前ってなんですか?」


「はぁ、聖 彼方(ひじり かなた)よ。」


 なるほど聖先輩かそれにしても聖先輩は無表情だ

 だから俺は聖先輩もとい幼女先輩の色んな表情を見たい

 照れてる顔や怒ってる顔、慌ててる顔色んな表情を見てみたい


「ぐへ、ぐへへへへ」


「いや、普通にキモイです。それにうちの学校は遅刻には少しうるさいので急ぐことをおすすめしますよ」


 なら急がなければならないな

 だが、この場を逃すほど俺も落ちぶれてはいない


「言ったじゃないですか俺は転校初日なので道を教えてもらいたいと」


「そういえばそうでしたね。あまりにもキモイので忘れてました」


 ジト目で見てくる幼女先輩。そんな表情もまた可愛いと思いながら俺はお願いする


「案内お願いします幼女先輩」


「そのキモイ呼び方やめてください。さっき自己紹介しましたよね。呼ぶならせめて聖先輩と呼んでください」


 そんな幼女先輩の訴えを耳に残しながら俺は3次元も捨てたもんじゃないなと思っていた


        ◇◆◇


 俺はクラスでの軽い自己紹介も終わり自分の席にたどり着いていた


「3次元に2次元は存在する」


「何言ってんだお前。お前の頭が2次元だろ」


「うるさいぞ幼なじみ」


 今隣で話しているのは中学の時にこっちに転校して行った幼なじみの一 柊哉(にのまえ しゅうや)だ

 黒髪黒目で周りに優しく趣味は楽器と自転車という周りからの人気もそこそこ高いやつである


「今日俺は幼女先輩にあったんだ」


「へぇ、3次元に興味が全くないお前がそこまで言うんだったらんだけ凄いんだろうな」


「んで、その幼女先輩?だっけどうするんだ?」


「そうだな…まずは1週間で幼女先輩に関わる情報を全て調べる」


「いや、お前やってる事がヤバいやつのそれだからな、…ホントやめて欲しいわ幼なじみ。少し恥ずいし」


 冷ややかな目でこちらを見てくる柊哉


「大丈夫だ、俺からしたらお前みたいな幼なじみも恥だから」


「なんで俺がお前にバカにされてんだか…まぁ、いいやお前の人生だ。好きにすればいい…」


 また冷ややかな目でこちらを見てくる柊哉


「だけどお前って暴走すると問題になるからそれだけはやめろよ俺にまで飛び火が来たらいやだからな」


「どうして俺の事なのにお前に被害が行くんだ?」


 俺がそう言うと柊哉ははぁ…と重たいため息を着いてから話し出した


「それは中二までの行いを振り返ってみろ」


 柊哉は俺の幼なじみだ。幼稚園、小学校、中二まで同じでこうやって高校でもまた一緒にいる


「…というわけで行ってくる」


「おい、まだHR残ってんぞ…ってもう居ねぇし」


 そうしてその日から俺は幼女先輩の情報を仕入れることになった

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