第13話  【BLACK EDGE 其の13 移動】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第13話

 【BLACK EDGE 其の13 移動】




 準備を終えたブラッド達は出発の準備をしていた。




 ブラッドを組織の施設を壊すために旅をしていたため、多くのところを行ったり来たりしていたが、なんだかんだで最近はここが拠点しなっていた。




 この宿ともお別れになる。ブラッドは宿の店主に別れを言う。しかし、宿の店主は何も答えてくれない。

 ブラッドにとっては短い間だったが、思い出深い宿だった。少し寂しいと思いながら出て行くブラッドに店主は一言。




「また、来ることがあったら泊まりな」




 それだけ言った。




 ブラッドは「ああ」と返すと出て行った。





 村を出る時にブラッドはフェアに持っている剣を渡す。




「これはお前が持っとけ」




「え、でも?」




「俺は大丈夫だ。どうせ使わないし。貰い物だ」




 ブラッドは昨日の戦闘ではこの剣を持ってなかった。それに剣を使わなくても戦える。

 フェアには一応、もしもの時のために剣を持たせることにした。




 施設がある場所までは近くの村までは行商人の馬車に乗せてもらい、村に着いたら徒歩で向かう。

 馬車は借りずに密かに乗せてもらう。ブラッドの持つ金ではあまり乗せてくれる人も少ないが、どうにか協力してくれる行商人がいて、村まで移動することができた。




 フェアが施設から逃げ出して、三日かけて到達したブラッドと出会った村。馬車なら一日もかからずに施設の近くの村まで着くことができる。




 そしてブラッドとフェアは何もなく無事に村に着くことができた。

 協力してくれた行商人と別れたブラッド達は早速、施設の方へと向かう。

 村を出発したのは朝だが、馬車での移動ですでに夕方。もうすぐ日が落ちる。

 しかし、夜になれば施設に侵入しやすくなる。子供達も逃しやすくなる。




 宿などで泊まれば見つかってしまうかもしれない。馬車の中では荷台にずっと隠れていた。そのため組織の中ではブラッド達はまだ最初の村にいることになっているはずだ。




 森の中で隠れながら身体を休める。そして夜になるのを待った。




 そして時間が経ち夜になる。その日は雲が多く月が隠れている。これなら暗くて隠れやすい。




 ブラッドはフェアと共に暗闇の中を移動する。




「フェア、絶対に離れるなよ」




「はい」




 襲撃にはフェアも同行する。一緒にいたほうが危険かもしれないが、協力者を知りたいし、子供達の居場所も知る必要がある。

 それに子供達を安心させるためにもフェアは必要だ。




「よし、準備はいいな、行くぞ」






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