第12話  【BLACK EDGE 其の12 予想外】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第12話

 【BLACK EDGE 其の12 予想外】




 ブラッドはフェアの話を聞くと、




「よし分かった。お前の友達を助けに行こうじゃないか」




 そう言ってくれた。それを聞いたフェアは驚く。




 驚くフェアを見て、ブラッドは不思議な顔をする。




「どうした?」




「いや、そんな簡単に手伝ってくれるとは思ってなかったから……」




 フェアの中ではブラッドは未知の存在だった。噂だけで聞いた人物。それに組織を一人で潰しまわっている存在だ。

 怖い印象しかなかった。まともに話ができるとは思っていなかったし、こんなに協力的だと思ってなかった。



 見た目も少し怖いし……。




 ブラッドは答える。




「俺は奴らに苦しめられている人たちを見たくないんだ。俺はいろんなもんを奪われた。だからこれ以上奪われる人を見たくない」




 それを聞いたフェアは、




「なんか、びっくり。でも、ありがとう」




 少し安心した。





 それからフェアは逃げ出してきた施設を教えた。場所はここから西。しばらく進んだ山の奥だ。




「それでその施設内にいる協力者ってどんなやつなんだ?」




 ブラッドは協力者について聞く。




 フェア達には大人の協力者がいる。フェタ達に作戦を作り、フェアを外に逃した。

 ブラッドはそれが誰なのか知っておく必要がある。それはそこに侵入した時に攻撃しないように、そしてもしかしたら協力を得られるかもしれないからだ。




「顔は分からない。黒いフードに仮面だったから……でも、女の人。声を聞けばわかる」




 グリモワールは組織の人間にフードと仮面をつけさせている。そのため顔が分からないようだ。

 ヒントは女。フェアはその女の声をわかるみたいだが、それ以外はわからないらしい。




「協力者なのに、顔を見せてくれなかったのか?」




「どこから漏れるか分からないって……。でも、信用はできる」




 かなり慎重な人物らしい。フェアは信用できると言っているが本当だろうか。だが、フェアを逃したのは事実だ。

 だとすると、何が目的なのか。他の組織のスパイなのか?




「分かった。じゃあ、きょうはもう寝ろ。明日出発する」




 ブラッドはそう言うとフェアを部屋に返した。




「あ、部屋には鍵をしっかりかけろよ。この宿やばいやつしかいないぞ」




「わかったー」




 フェアは部屋に戻っていく。




 行動を起こすなら早いほうがいい。組織もブラッドもフェアが接触したことを知れば、すぐに対策を考えるだろう。

 フェアの目的はバレていると考えたほうがいい。




「厳しい戦いになりそうだな」





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