第14話  【BLACK EDGE 其の14 襲撃】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第14話

 【BLACK EDGE 其の14 襲撃】




 月もない真っ暗な夜。気がつくと窓の外に赤いコートを着た男がいた。




「ん、なんだ?」




 巡回の一人が男の方に視線を向ける。




「どうした?」




「いや、あそこに誰か」




 一緒に行動していた巡回にコートの男を見た窓の方を見せようとすると、その扉が割れて男が突入してきた。




「し、侵入者だー!!」




 巡回の一人が叫ぶと同時にもう一人の巡回は殴り飛ばされ、叫んだ巡回は武器を取ろうとしたが間に合わずブラッドに殴り倒された。




「フェア、早く来い」




 窓を割って入ったブラッドを追いかけてフェアも到着する。




「騒ぎを起こして大丈夫なの?」




「ああ、だが、騒ぎの中心は俺だ。俺が奴らを惹きつけているうちにお前は子供達を解放しろ」




 ブラッドが囮になり、フェアが子供達を連れて脱出する作戦だ。

 協力者も騒ぎを起こせば、ブラッドがやってきたことに気づく。そうすればフェアかブラッドのどちらかに接触してくるはずだ。




「ある程度混乱させたら俺もそっちに行く。任せたぞ」




 ブラッドはそう言うと多くの足音の聞こえる方へと走って行く。ブラッドはなるべく敵を惹きつけて、多くの敵を倒す。




 早速ブラッドの向かった先には多くの警備員がいた。




 さっきの巡回の警備員もそうだが、このグリモワールは不思議な技術を持っている。そのため外の兵士とは違う装備をしている。




 王国などでは鎧を着た兵士などが基本だ。剣や弓を武器にしている。しかし、グリモワールも武器は違う。




 銃と呼ばれる鉄の弾丸を飛ばす武器を所持している。その武器は弓よりも高性能であり、人間の身体を簡単に貫通することができる。




 だが、大量生産はできないのと敵組織に渡ることを恐れてなのか、グリモワールは銃を取引には使わず、組織の人間のみに持たせている。




 警備員はその中でも威力もコストも安い小型の銃を所持している。手のひらサイズでコンパクト。

 だが、両手で持つタイプの大型の武器よりは威力は劣る。




 ブラッドの前に立ち塞がったのは三人の警備員。さっきは奇襲だったため、簡単に倒すことができたが、銃を持っている相手を倒すのはブラッドでも難しい。




 三人の警備員はブラッドに向けて発砲する。ブラッドは丁度横に扉があったのでそこに入って弾丸を避けた。




 入った部屋は小さな部屋だ。物置らしい。箱が並べられており、中には日用品が入っている。




 外からはまだ銃を撃っている音がする。




 警備員も銃は支給されているが、扱いにはなれていないのだろう。弾を無駄に撃ち続けている。




「弾切れのタイミングを狙うか」




 ブラッドは部屋の中でタイミングを見計らって飛び出すことにした。






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