第8話 【BLACK EDGE 其の8 宿】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第8話
【BLACK EDGE 其の8 宿】
仮面の男を撃退したブラッド達は、身体を休めるために宿にやってきていた。
小さな宿だ。木造でかなり古い。店主は髪の毛がなくなっており、スキンヘッドになっている。
そんな店だが、ブラッドはここを気に入って使っている。
その理由はここの店主は客の詮索をしないということだ。そのため訳ありの客も多い、犯罪者みたいな奴も多く見かけるが、訳ありのブラッドにはこの宿が居心地が良い。
それにここなら組織の人間に襲撃されたとしても、それぞれが自衛の術を持っている。他の人間を巻き込むことは少ない。
店主もかなりの手練れで前に喧嘩したことがあったが、その時は手酷くやられた。
ブラッドはそんな宿の二階を借りると、部屋へ向かう。
お金を持っていないと言うのでフェアの分の部屋も借りて、荷物整理をし終わったら、一度部屋に来てもらい、事情を聞くことにした。
ブラッドとフェアは似た力を持っている。そしてそれはある組織が関係している。その名をグリモワール。
その組織が二人の能力と関係している。
ブラッドは長い間、グリモワールを追ってきた。自分にこの力を押し付けた存在、そしてあの事件の引き金。
ブラッドの目的は組織を壊滅させること。そのためにはどんな情報でも欲しい。
フェアがその組織と関係あるのなら、情報をもらう。そしてこれ以上、組織による被害が出ないよう、フェアを保護しながら他の被害者を助ける。
しばらく待っていると、フェアがやってきた。
フード付きの服を脱いで、動きやすい服に着替えたようだ。
「ブラッドさん、来ましたよ」
フェアには後で部屋に来てくれとしか伝えていない。しかし、真剣な表情だ。
フェアは組織に追われて、ブラッドも元まで逃げてきた。それは助けに来たのだ。
ブラッドはフェアに会うまで幾つかの組織の施設を壊してきた。そのため組織内でも噂になっていたのだろう。
そして組織と敵対するブラッドの元にやってきた。
だから、ブラッドが話したい内容にも気づいたようだ。だからこんなに真剣な顔で来てくれた。
「フェア、お前に何があったのか教えてくれ。グリモワールと何があった?」
ブラッドが聞くと、フェアは答える。
「私はグリモワールも実験体の一人。白龍の力を融合されました。…………そして逃げ出したんです」
フェアはそうブラッドに伝える。
グリモワールから逃げ出した。だから追われていた。
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