第7話 【BLACK EDGE 其の7 決着】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第7話
【BLACK EDGE 其の7 決着】
「決着をつけてくる」
ブラッドはそうフェアに言う。それは守ってやるから安心してここにいろという意味でもあった。
ブラッドは仮面の男の方へと走り出した。
左腕は動かない。そのため不恰好な走り方だ。でも、フェアにはそんな後ろ姿がカッコよく見えた。
仮面の男は苦しみながらもブラッドが近づいてくるのに気付くと、落ちた剣を拾いブラッドに斬りかかる。
しかし、そんな大振りの剣は当たることなく、ブラッドに躱されてしまう。
ブラッドは右腕に力を込める。
すると、ブラッドの右腕に黒いオーラのようなものが溢れ出した。
そしてそのオーラはまるで龍ようになり、ブラッドの腕を覆う。拳の先端にはうっすらと龍の顔のようなものも見える。
「くらえ!!」
ブラッドはその腕で仮面の男を殴った。
その時のパワーはさっきの数倍。仮面の男は上空に殴り飛ばされた。
宙を飛ぶ仮面の男は回転しながら、ブラッドの身長の五倍ほどの高さまで吹き飛ぶ。
そして仮面の男は地面に落下した。
倒れた仮面の男の前でブラッドは一度体をふらつかせる。
「うっ…………」
「ブラッド!!」
そんなブラッドの様子を見て、フェアが駆け寄ってきた。
斬られたダメージもあるだろう。しかし、それ以上に黒いオーラを出したことによる疲れの方が、ブラッドには来ていた。
仮面の男は死んだわけではない。しかし、これだけのダメージを喰らえばしばらく追ってくることはないだろう。
フェアは仮面の男が動けないことがわかると、ブラッドに傷ついた腕を見せるように言う。
「腕を見せて」
ブラッドは何をするか分からなかったが、言われた通りにフェアに剣で切られた腕を見せた。
かなり深い傷だ骨まで達しているだろう。
フェアはその腕の前で両手を出すと、
「……私には白龍の力がある。それで傷を癒す」
フェアの手のひらが光ると、その光がブラッドの腕を包む。そして三秒後にはブラッドの腕は治っていた。
「完治ではないから無茶をすればまた傷口が開く。包帯を巻くから待って」
フェアはせっせとブラッドの腕に包帯を巻き始める。ブラッドはフェアに礼を言うタイミングを逃してしまった。
そうしていると、太陽が一度雲に隠れる。
その時、仮面の男が首だけを動かした。
「俺はやられたのか……だが、これで終わりだと思うなよ。貴様ら二人は、必ず俺の手で……」
そう言いながら仮面の男は地面の中に潜って消えていった。
仮面の男は一度撤退したのだ。あの傷だからしばらくは追って来れない。来るとしたら傷が癒えてからか、それとも別の刺客がやってくるかだ。
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