第28話 自己紹介
「じゃあまずは自己紹介からしようか。模擬戦までしておいて今更だけど」
確かに名前は聞こえてきただけで、互いに自己紹介はしてなかったっけ。
「ボクは
[スキルデッキ]なんて名前の普通のスキルがあったらビックリだよ。
ただそっちに意識が行き過ぎて名前が覚えられないから、
「ちなみに智弘達のパーティーは全員ユニークスキル持ちなんだとよ」
「やっぱりそうなんだ」
大樹に言われる前からそうだろうなと思っていたので、特に驚きはしないね。
よし、他の3人もスキル名と結び付けて覚えよう。
「あっしは
「拙者は
そして拙者の隣に座っているのが
「……む」
これで全員自己紹介をしてくれた……いや、1人他者紹介だったけど。
もしかして
「あ、省吾の事は気にしないでくれ。こいつ極度の人見知りで、あまり顔を合わせてない人間がいるところでは無言になってしまうんだ」
「そんな理由!?」
いや、人によっては十分大きな問題なんだろうけど、自己紹介も出来ないほどだとは思わなかった。
「それじゃあ今度は僕の番ですね。僕は鹿島蒼汰。蒼汰でいいですよ。デメリットスキルは[ソシャゲ・無課金]」
「え? デメリットスキル?」
「本当でやんすか?」
「デメリットスキルは本人に不利な性質を押し付けるスキルでござろう? 字面から課金が出来なくなるデメリットでござろうが、よくそれで冒険者になろうと思ったでござるな」
「………(コクコク)」
全員が
「ガチャをするのが生きがいだったのに、課金が出来なくなる
「それが結果的に当たりで今ではハーレムか畜生!!」
「そっちは狙ってなかったし、課金も未だに出来ないよ」
〔
「無欲な心の勝利なんだな」
「私達は欲まみれですからね」
「無心でいられるなら、そもそもハーレムなど目指していない」
「「「それは確かに」」」
「ちなみに智弘さん達も大樹達と同じようにハーレム目指しているんですか?」
「いや、そこまでハーレムに固執している訳ではないよ」
「でも模擬戦の時は「リア充がーー!」って怒鳴りながら向かって来たような……」
「固執はしてないけど目の前であんな光景を見せられたら、羨ましくもなる」
あの時は乃亜の[強性増幅ver.2]のスキルを発動させるために仕方がなかったんです。
「まあぶっちゃけて言えば、ハーレムはあわよくばとは思ってるでやんすが」
喋り方さえ普通にすれば、女性が寄ってきてもおかしくない容姿だと思うんだけどね。
「ボクらが冒険者になった理由はユニークスキルが身に着いたから、お金を稼げそうだと思っただけさ。省吾の場合は普通に就職するのが難しそうだから、冒険者になろうと思ったようだが」
確かに重度のコミュ障では、会社で働くのは厳しそうだ。
面接で全く喋らない人が来たら、会社の人だってその人の人となりが分からないから雇わないだろうし。
「ボクらが冒険者になったのはお金が理由なんだが、手っ取り早く強くなって沢山稼ぎたいと思っているんだ。
だから蒼汰さんのパーティーがどうやって短期間であれだけの力を身に着けられたのか、ぜひとも知りたいんだが、教えられる範囲でいいから教えてもらえないか?」
「そう言われても、運が良かった(?)としか言えないんですけど」
なんせスキルが変化していったら、人を強化する方向に偏りまくっていった結果だし。
「僕のスキルの事とかぐらいしか話せないけどいいですか?」
勝手に乃亜達のスキルを教える訳にもいかないし。
「もちろんさ。代わりにこちらも模擬戦で使ったスキルがどんなスキルか教えるよ」
人の事を言えないけれど、かなり変わったスキルだったから少し気になっていたんだよね。
推測しただけで具体的にどんなスキルかは聞いてないから、教えてもらえるなら聞きたいよ。
「そう言えば大樹達が所持してるスキルについて聞いた事なかったんだけど、僕らも話すから――」
「分かってるぜ蒼汰。横で聞いてて自分達は話さないなんてことはしねえよ。でもオレらが持ってるのは普通のスキルだから、あまり面白味はねえぞ?」
「むしろ普通のスキルしか持ってないのに、ここに招待されるぐらいに実力をつけたのだから、誇っていい事だと思うが」
ここに招待されるためにどれだけの力量がいるのかは知らないけど、ユニークスキルを1人も持たないでスカウトされるぐらいの力を身に着けた
「それじゃあ僕のスキルの事なんですけど――」
僕は早速自身のスキルと、所持している典正装備を手に入れた経緯について話した。
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