第29話 大樹達のスキル
「よくそんなスキルで冒険者をやろうと思ったな……」
自分のスキルやこれまでの経緯について話したらいきなりディスられたんだけど。
「ああ、すまない。馬鹿にした訳ではなく普通に驚いたんだ。
初めの段階なんか、挨拶でポイントを貯めれば日用品が手に入る程度で、戦闘では何の役にも立たないから、実質スキルなしでダンジョンに挑んだのと変らないのに、それでもダンジョンに1人ででも挑もうなんて普通は思わないよ」
「面と向かって普通じゃないと言われてしまった」
「いや、実際普通じゃねえからな? オレでもスキルなしでダンジョンに1人で行こうとは思わねえよ」
ガチャの為なら無茶もするさ。
「それにしても全く参考にならないハーレムの作り方なんだな」
「いや、そうでもないでやんす。ハーレム願望の女子(逆ハーレムではない)のピンチを、助けて惚れさせる場面なんてまずないでやんすが、ハーレム願望の女子だけならSNSで募集すれば意外といるかもしれないでやんすよ?」
「しかしそれではケモ耳少女に出会えるかどうか……」
「ケモ耳でハーレム願望の女子となると、範囲が狭すぎて選ぶ余地はおろか、いるかも怪しいでござるな」
「相手を先に探すにしろ、ハーレムを作るのであればお金は必要ですけどね」
「………(コクッ)」
やはり世の中金なんだと言外に
「目的は何であれ、金を稼ぐのはここにいる全員が――」
何故か不自然なタイミングで喋るのを止めると、
「
何故に言い直したの?
確かにお金よりレベル上げて
「だからボクらは出来る限り、協力できることは協力していきたいと思うんだけどどうかな?」
「もちろん構わねえぜ。と言っても、何をどう協力していくんだ?」
「ん~そうだね。たとえばいらない魔道具をドロップしたらお互いに報告して、必要なら店で売る値段よりは高く買い取るとか? 店で買うよりは安く済むし、売る方も少し高く売れてお互いWIN-WINじゃないかな?」
「それだったら問題ないと思います。高く買ってくれる分には、他のパーティーメンバーも文句はないでしょうし」
冬乃なら高く売れるなら、即決でOK出すだろうね。
「他にも色々協力できることは協力していきたいから、有益な情報だったり、困った事や相談事があったら連絡を取り合えるよう、連絡先を知りたいのだけどいいかな?」
「おう、もちろんだぜ」
「いいですよ」
大樹や僕はすぐに賛同し、他のみんなも頷いたので、ここにいる全員と連絡先を交換した。
「それじゃあ次はオレらのスキルの事だな。[瞬間ブースト][先送り][裂空斬]の3つなら蒼汰の前でも使ったし、これくらいなら教えてもいいか」
そういえば
聞く機会がなくて聞きそびれてたよ。
大樹が教えてくれたスキルの効果は中々面白いものだった。
[瞬間ブースト]:効果時間は5秒ほどだが、身体能力が3倍になる。
[先送り]:自身の攻撃などによる反動を30分以内の任意のタイミングに先送りできる。
[裂空斬]:斬撃の威力が次の攻撃時2倍になる。ただし体力の消耗は3倍。
特に[先送り]なんかユニークっぽいのに、通常のスキルなんだとか。
いまいちユニークとの違いが分からないけど、16歳になった時に手に入れたものをユニークスキルと言うから、効果は関係ないんだろう。
それにしてもこの3つのスキル、組み合わさると瞬間的な攻撃力が6倍になって、その時の反動も30分以内にちょっとずつ受けて肉体への負担を減らせるから、結構いい組み合わせだね。
体力の消耗が半端なさそうだから、頻繁には使えなそうだけど。
大樹がスキルを教えてくれた後、他のパーティーメンバーもスキルを教えてくれた。
・
[土魔法]:地属性の魔法を操れる。
[索敵]:自身を中心とした、半径20メートル圏内の生物を発見できる。ただし遮蔽物の無い場合に限る。
・
[パリィ]:相手の攻撃を受け流す。
[剣術]:剣を扱う能力を一定レベルにまで引き上げる。
・
[槍術]:槍を扱う能力を一定レベルにまで引き上げる。
[罠感知]:半径10メートル圏内の罠を発見できる。ただし遮蔽物の無い場合に限る。
スキルスロットが1だから今まで関係ないと思っていたけど、こうして色々なスキルを聞くと、身に着けたいなと思ってしまうね。
それにしても性癖三銃士はよくありそうなスキルだけを教えてくれたのに、大樹は一度見せてもらったとはいえ、ほとんど聞いたこともないスキルをわざわざ教えてくれたな。
もしかして、ユニークスキルを教えてくれる
「じゃあ次はボクらの番だね」
大樹のスキルも中々興味深かったけど、ユニークスキルはもっと興味があるね。
一体どんなスキルの内容なんだろうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます