第20話 男女の比率
色々あった1日目だったけど、まだ2週間近くあるから気を引き締めなくてはいけないと挑んだ2日目。
「それでは皆さんはパーティー毎に固まって、授業を見学していただきたいと思います」
一体どんな授業なんだろうか。
昨日のような戦闘力を磨き上げる様な授業とかが多いんだろうか?
そんな風に思っていたら――
「それじゃあ昨日の続き、59ページからな。それじゃあ今日は13日だから出席番号が13番のやつから音読な」
普通の国語の授業が始まった。
冒険者学校とはいえ、高校であることには変わりがないので、一定の学力を身に着けるべく通常の高校と同じ普通の科目も当然あるようだ。
ただ、その科目も国語、日本史、世界史に妙に偏っており、数学なんて他の科目よりも断然時間割に組み込まれている数が少なく、僕らが通っている高校で使ってる教科書の半分以下の薄さのものを使用しているけれど。
いいのか、これで?
そう思って授業後見学していた教室の生徒に聞いたら納得の答えが返ってきた。
「国語、日本史、世界史は【
まあ【
それよりもお前、どうやってハーレム作ったのかそこんところ詳しく……」
ハーレム云々はさておき、【
昼休みとか空いた時間を利用して確認してみたいところだ。
「先輩、冒険者学校って言っても、何から何までダンジョンに関することじゃないんですね」
「やっぱり完全にダンジョンに潜る事しか教えなかったら、高校卒業後に冒険者を諦めたくなった時とか困るんじゃない?」
「まあそうでしょうね。ただ冒険者になる以外にもダンジョン関連の仕事、たとえば冒険者組合への就職の斡旋もこの学校は行ってるみたいだから、ちゃんとそこで働けるよう勉強はするんでしょ」
「咲夜達ならそこで働くよりも、ダンジョンに潜った方が稼げると思う」
「「「それはそう」」」
ダンジョンは確かに危険だけど、乃亜の[損傷衣転]による怪我防止に、万が一怪我したりしても咲夜の[治癒術]で回復できるから、安全対策はバッチリなのでハッキリ言って他の人よりは危険が少ない。
「でも次の授業はダンジョン学だし、冒険者学校らしい授業もちゃんとあるんだね」
普通の学校じゃ絶対に聞かない授業名だよ。
僕らはこの学校について思った事をお互いに話しながら、次の授業までの休憩時間を過ごした。
……教室中の男達の視線をその身に浴びながら。
この学校、冒険者学校なせいか男子の方が圧倒的に多いから男子の視線が凄いです。
中学の段階から私立であるこの学校に通うために親を説得してまでくる生徒は、そんなに多くはないだろう。
通常の私立よりは学費が安いらしいけど、それでも公立よりは高い。
つまりわざわざ高い金を払ってまで、冒険者という危険な職業に就きたいと思うにはそれなりの動機がないと、この学校に通う事はない。
お金を稼ぐため、ハーレムを作るためといった理由がほとんどになると思うけど、そうなると必然男の方が多くなる。
教室を見渡しても男女の比率が5対1ほどだろうか?
2年の教室だからまだこの程度のようだけど、1年の教室だと7対1になるんだとか。
1年の間に16歳になりユニークスキルを身に着けた女子が転入するパターンで、2年になると少し女子の割合が増えるらしい。
それはともかく、教室には男子が多く、しかもその大半がハーレム目当て、あわよくばハーレムを作れたらと思っているのであれば、そりゃ僕らを見るよね。
乃亜がテレビで公言してたのもあって、ハーレムを作っていると知ってる人は知ってるだろうし。
「まだどうやってハーレムを作ったのか聞かれる程度なのはマシなのかな?」
「聞かれたところで参考になる話が出来るんですか?」
「無理だね。僕が率先して作った訳じゃないし。もしもアドバイスするならハーレムを作りたい女子を探す事だとしか言えないよ」
「乃亜ちゃんのお陰。みんなずっと一緒」
「わ、私は
「いい感じに堕ちてきてますね~」
乃亜が何やら不穏な事を言ってないかな?
みんなと談笑しながら、せっかく冒険者学校に来たのだからダンジョンに潜る上で有用そうな情報なんかも探そうかと話していると、次の授業の時間になるのはあっという間だった。
――キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴ると同時に教師の人が入ってきて、教壇に立った。
「お前ら、席につけ。今日はスキルの魔法について勉強するぞ」
乃亜のお母さん、穂香さんの光魔法や
結構自由度がある便利なスキルに見えるから、興味はあるんだよね。
スキルスロットの枠が空かない限り、習得できないけどね。チクショウ!!
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