第40話 停滞期
僕らはサクッと戦斧持ちが3体に陰陽師が2体を倒すと、予想通り時間がきたのか大きなロケット花火らしきものが空を飛び煙をまき散らしている。
……随分タイミングがいいけど倒した瞬間を見計らったのかな?
まあ戦ってる最中に交代の合図が来たら気が散るし、この程度の敵なら4人が協力すれば余裕で倒せるから問題ないけれど。
「冒険者の皆さん。本日はありがとうございました」
『「3人とも交代~」』
『『『了解』』』
隊員の人がバリケードに一番近かった僕にそう話しかけて来たので、僕は3人に撤収の指示を出す。
「皆さんのお陰で今日を無事に乗り切ることが出来ました。最終日は本日よりも激戦になるでしょうが、皆さんのお力を借りられるのであれば乗り切ることが出来るでしょう」
「ええ、お互い頑張りましょう」
今はとっとと寝たいけど。
冬乃の予想が良い方にハズレて1時間置きに1時間休憩できたけど、22時まで戦うことになるのは正直疲れた。
「明日はもしかしたらですが、昨日や今日のように長い時間休憩をはさむことが出来なくなるかもしれません。申し訳ありませんが、魔物をここで食い止めねばならぬ以上ご協力をお願いすることになります」
疲れてる時に余計疲れそうなこと言わないで欲しい。
「その場合は特別給与が支給されますので、何卒よろしくお願い申し上げます」
「分かりました」
僕は気づいている。
隊員の人に僕が返事をしていた横で、冬乃が小さくガッツポーズをとったことを。
今回の
レベルと言えば、鎧を着たスケルトン達が出始めたことでレベルの上りがまた良くなったけど、派生スキルを新しく手に入れたって話を聞かないな?
僕と咲夜は手に入れたばかりだからしょうがないけど、乃亜と冬乃はそろそろ手に入れててもおかしくないのでは?
戻ったら聞いてみよう。
僕らは自分達にあてがわれたユニットハウスに早速戻った。
咲夜にも自身のユニットハウスがあてがわれているけど、パーティーメンバーとなった今は、昨日と同じで当然僕らと一緒のユニットハウスを使用している。
「それじゃあ明日の為にも、早急に食事と風呂を済ませて寝たいところだけど……」
「だけど?」
「乃亜と冬乃って新しい派生スキルって増えたりした? 僕と咲夜は増えたばかりだから手に入らなくても仕方ないかもしれないけど、2人はそろそろ増えててもおかしくないかと思って」
「ああ、そう言えば最近スキルを手に入れたのって、レベル20の時だったわね」
「わたしは13のレベルの時でしたから、言われてみれば増えててもおかしくないんですが……」
おや? その反応もしかして……。
「わたしはスキルが増えてませんね」
「私もね。今のレベルが39だから前のペースだったら1つ、2つ手に入っててもおかしくないのに、全く増えてないわ」
「わたしもレベル39ですが手に入ってません。前に手に入れてからもう26レベルも上がっているのに何故でしょうか?」
2人とも20レベル近く上がってるのに、派生スキルが増えてないのっておかしいでしょ。
僕なんてレベル30で4つ手に入っているのに。
「これが俗に言う停滞期ってやつでしょうか?」
「「「停滞期?」」」
「倦怠期ではないですよ。先輩とわたしはまだまだラブラブですから」
「誰もそんな事言ってないわよ」
「2人は凄い仲がいい、よね」
ついでに言わせてもらえばラブラブと言う事実もないぞ。
いや、嫌いではないのだけど。
「ユニークスキルやデメリットスキルにあることらしいのですが、派生スキルが増えるまでの間隔がいつもより長くなるみたいです」
「それもお父さん達から?」
「はい」
「ちなみにどのくらい長くなるの?」
「聞いた話によると40レベルくらい間が空いた例もあるらしいですよ」
「「「長っ!?」」」
え、じゃあもしも僕が停滞期に入ったとして仮に40レベル空くとすると、前に手に入れたのが30だったから、70までスキルが増えないの!?
「まあそれは極端な例ですけど、わたしの場合は26レベル分の間隔が空いたのでそろそろ手に入れてもおかしくないですかね?」
「私は……どうかしら? あと1レベルか最悪20レベルくらいはかかるかもね」
新しいスキルはイラっとくる時もあるけど、基本的には戦闘における手札が増えるので出来ればサクサクと増えてほしいのに嫌な情報だ。
「そう思うと今回の
ホントだよね。
過去の自分達に言いたい。
ナイス判断!
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