エピローグ1
≪???SIDE≫
――カタカタカタ
「ぐあー終わらねー!」
「泣き言言ってないで手を動かしなさい。Sランクから【
「分かってても面倒なものは面倒なんだよ。あーもう、とっくの昔に死んでるんだから変な恨み辛みなんか忘れてとっとと成仏してくれよな」
とあるビルの中で我々はひたすらパソコンに向かって作業をしていた。
「じゃああんたが理不尽な目にあって死んでも素直にあの世に逝ってくれるわけ?」
「んなわけねえだろ。そうなったら人間が滅ぶまでとことんやるわ」
「でしょ。それに止めてくれって言いたくても、
「君たち、おしゃべりに夢中になってて手が止まっているぞ」
「「すみません!」」
やれやれ。
愚痴を言いたくなる気持ちは分からなくもないが、自分たちの仕事が人類の存亡を左右しかねないものだと理解してほしいものだな。
「でも土御門課長。我々がわざわざモンスターハウスの場所が分かるよう印をつけてやる意味ってあるんすか? リソースの集まりが少ないFランクのダンジョンでモンスターハウスの罠に率先してかかりに行かれたせいで、本来なら5年は【
「意味はある。モンスターハウスには宝箱が出ないようになってるから、せいぜい倒した魔物の魔石ぐらいしか旨味がなく、普通の冒険者であればわざわざモンスターハウスにはいかないからな」
「だけど今回は居酒屋をはしごするみたいに何度も行かれたじゃないっすか」
「行く者は少数だと言うことだ。そんな馬鹿な事をし続ければいずれ【
「今回死ななかったっすけどね」
「確かに死ななかったが、この様子なら問題なかろう」
「そうっすか?」
あの狐の少女が今後1人でダンジョンに潜り続けるのであれば問題はあったが、先ほどの様子を見る限り、今後3人で潜ることになりそうだしな。
1人で雑魚を沢山狩るよりも、パーティーで下の階層の魔物を倒す方が実入りがいいのだから、そっちに行くことになるだろう。
「それにモンスターハウスの位置を示すなどついでにすぎない。肝心の上級ダンジョンからのリソースは回収出来ているか?」
「そっちは問題ないっす。Sランクからは絶対に【
「【
「そうだな。なにせそのせいで京都市は年に1回“
「ああ、あの……。そう言えばもうすぐでしたっけ? “
倒せない【
「もはや恒例行事となって楽観視されているが、それは日本では一か所だけだからまだ対処出来ているだけで、少なくともSランク、出来ればBランクまでのダンジョンのリソースはこちらで回収せねばならん。
これ以上京都市の二の舞を演じる訳にはいかん」
「でも何であの【
確かに普通なら成り立たないんだが――
「あれは偉人、実在する人物を元にしているが、ある一点の変更を加えることで絶対に存在しない存在となり、土地、知名度、さらにはSランクダンジョンだったためにリソースが異常なまでに溜まった結果だな」
「だからって
「信長以外にも有名な戦国武将、全員性転換して何万もの兵を率いる【
偉人が実在した人物であるがために普通なら【
ダンジョンが生まれる100年前にすでにそのような創作話が存在することも、あの【
「そんな無茶苦茶な存在がいると聞くと、なんでも【
「人が想像で作ったキャラクターであれば極論なんでもいいからな。
童話だろうが神話だろうが偉人を元にした創作話だろうがな。まあ神は人々に信仰され存在値が高いゆえに必要なリソースが多すぎるし、偉人を元にした創作は実在する人物がいるせいでこっちも存在値が高くなるから、結局は【
「でも現在、【
「存在値が低ければ生み出しやすいが戦力としては低いからな。我々としてはそう言うのでリソースを無駄遣いしてくれると助かるわけだが。
あと基本的に弱点が明確なキャラクターほど【
「昔、アンパンの戦士の【
「でもすぐに強肩のパン屋が顔の交換してたじゃない」
「3回くらい繰り返したらパン屋がキレて、顔サイズのアンパンを剛速球で冒険者に投げつけてたのは笑っちまったがな」
「結局アンパンの戦士がその【
他には逆に弱点がばれてることを利用して、耳のない猫のロボットにネズミをけしかけると狂暴化して、自分もろとも核で死のうとする【
「あれ、もしも爆破してたらあのダンジョンごと全部吹っ飛んでたからマジで危なかったぜ」
過去に現れた【
「どんな【
「うへ~、しょうがないとは言え大変っす」
「仕方あるまい。これは我々魔術師にしか対応できないことなのだから」
「国から少なくない金貰ってるのでやることはやりますけどね」
ぶつくさ言いながらも部下たちは今日も真面目に職務をこなす。
まあやらねば他の人間もろとも滅びるだけだから、やるしかないとも言えるがな。
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