第87話フェリペ2世の快進撃
フェリペ2世は、翌年にはオスマン帝国海軍とレパントの海戦を起こした。
それもスペイン海軍の単独での海戦で、周りの国からもむちゃだと思われた。
オスマン帝国の東地中海への進出は、まさにスペイン帝国側が仕掛けた罠だった。
スペイン帝国内の旧グラナダ王国で、そこに隠れ住んでいるイスラム教徒が生活に苦しむように仕掛けた。
あれこれと嫌がらせをされたイスラム教徒は、ついに反乱を起こした。
そうなるとイスラム教徒はオスマン帝国に支援を求めた。
同じイスラム教徒、助けに向かうしかなかった。
オスマン帝国海軍が出て来れば、自国の
ギリシャのコリント湾口のレパント沖で、オスマン帝国海軍と、スペイン海軍との海戦が始まった。
海面には、白い糸が伸びるようにオスマン帝国の船に衝突。
凄い爆発音と
オスマン帝国は、何が起きたのか分からなかった。
爆発音と水飛沫が増える度に船が1隻、1隻、と姿を消した。
数が半数になって、ようやく向きを変えだした。
しかし、遅かった。
船の横っ腹に魚雷が襲い、最後の1隻も沈んでしまった。
それがたった1隻の船が、ことごとくオスマン帝国海軍を沈めた。
その船に乗っていた日本人の日記に、こと細かく海戦の経過が書かれていた。
午後1時頃に始まった海戦が、わずか1時間50分で終了。
その海戦中、ああだこうだと教えたのが船に乗っていた万太郎だった。
オスマン帝国海軍の
後の『レパントの海戦日記』であった。
そしてギリシャをあ!!と言う間に
それにオスマン帝国からも賠償金をがっぽりとぶんどった。
そして、それに合わせたようにポルトガルの王家が、謎の死を
フェリペ2世の母親が、ポルトガルの王家の血を引いていたことから、ポルトガルの王にもついた。
色々な噂もあった。
有力な貴族には、すでに密約が交わされていたのだ。
頑固な貴族は、何故か事故死に・・・
強国となったスペイン帝国には、隣接している国は
なお更、文句を言える立場でなかった。
反対にフェリペ2世へ、お祝いの使者と贈り物が贈られた程だ。
フェリペ2世は、イングランドを敵視していた。
イングランドは、スペイン船や入植地に対する海賊行為が後を絶たない。
やめろと言っても、言う事を聞かないイングランドであった。
スペイン王フェリペ2世が、侵攻を決意した要因のひとつにあげられた。
その翌年には、イングランドに挑んだ。5月の晴天の日だった。
メディナ・シドニア公率いる約102隻のスペイン無敵艦隊がリスボンを出発した。
グラヴリンヌ沖海戦では、イングランド艦隊を
その内訳は、あのフェリペ2世号が75隻を海に沈めていた。
まだ海戦距離から離れていたのに、次々とイングランド艦隊の船が爆破されて沈んでいった。
敗走しようにも、沈んだ船の
スペイン無敵艦隊が襲い掛かった。どうすることもなく
そしてイングランドは負けてしまった。フェリペ2世がイングランド国王となった。
性能のいい火縄銃で、陸の兵たちを遠くから狙い撃ちして、敗走させたのが原因だった。
日本で有り余った火縄銃が、ここイングランドで活躍するとは思いもよらなかった。
この戦争の裏で、木下藤吉郎がそろばんをぱちぱちと弾いていた。
「今度の海戦で80発も使ったようだ。ならば150発を注文しておこうか?」
「社長、そんなに注文しても大丈夫ですか?それから火薬の注文も入ってますよ」
「バカ野郎!早く言わないか? 戦勝気分だから買うに決まっているだろう。お前は商才はまだまだだなーー」
「もっと勉強します」
藤吉郎は、注文書にかりかりと書いていた。
「これを無線で注文しておけ」
「分かりました。社長」
男は急いで部屋を出て行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます