第32話若狭国
今川の殿様に、堺の2万貫を収めた。
そして、引き連れた軍勢で若狭国へ攻め入る事になった。
若狭国は、武田氏が支配していたが三好に負けたことで徐々に衰退。
この時期は内乱に明け暮れていた。
それに、将軍になった今川義元の命にも従わない。
『上洛してあいさつするように』の命令にも無視だった。
忍者隊の話だと、誰が武田の代表で上洛するかで争っていた。
内乱の為に、下手に上洛すれば攻め入られるスキをつくってしまう。
動くに動けない状態だった。
将軍に対して、深刻な状態とは知らずに・・・
「殿、本当に行ってしまいましたぞ」
「本人が行って説得すると言っているんだ。任せるしかないだろう」
「しかし、いくら義理とは言っても、何を考えているか分かりませぬぞ」
「大丈夫だと思うぞ。名も義元と改名して従ったのだから」
その父親を近江国に追放して実質的に家督を継いだ。
そして、将軍足利義輝に従うことで名の一字を与えられた。
名を武田義元と改名。
武田義元と足利義輝の関係は、良好であった。
足利義輝の妹を嫁がせた程に・・・
そして、今でも父親の武田信豊との対立は続いている。
今は、その名も義統と改名している。
若狭国を1つにまとめ上げる意味で、統を加えて願掛けをしたのだろう。
戦国時代は、名をよく変えてるんだよな。
よく知られているのが、目上の者から名を貰って従順を示す方法だ。
豊臣秀吉も、それをよくしていたのが有名だ。
木下日吉丸-幼名
木下藤吉郎-今川義元の家臣・
羽柴秀吉 -織田信長の家臣の丹「羽」長秀と「柴」田勝家の両名から、それぞれ一字ずつを拝借して作った姓。
豊臣秀吉 -朝廷から豊臣の姓を賜り、最高位の官職である太政大臣にも就任。
「殿、戻ってきましたぞ」
「そうだな。横に居るのが武田義統みたいだな」
戻った、足利義輝の顔には、一本の男の生きざまがあらわれていた。
そして2人は、今川の殿様の京へと行ってしまった。
あやまりに行くと言っていた。
足利義輝が取り成すことで、なんとかなるだろうと思う。
今川の殿様からしたら、心が入替わった足利義輝が謝る立場になったのだ。
許す気になるだろう。
足利義輝の頼みで、武田義統に歯向かう者を攻略する。
幾度かの戦いに勝利したが、武田信豊と武田信由には逃げられてしまった。
2日を駆けずり回り、探しまくった。
「殿、何処にも居ませんぞ」
「忍者隊は、どうだ」
「分かりませぬ」
悔しそうにうな垂れていた。
最後には、炭小屋内に隠れていた。
炭だらけの両名は、最初はみすぼらしい姿だったので、見逃すところだった。
たまたま居た俺の横を、通り過ぎようとして、ピンときた。
名が表示されていたからだった。
「武田信豊・武田信由」と声を抑えて呼び止めた。
2人は急に立ち止まった。
そして、隠し持っていた脇差を抜いて抵抗してきた。
弟の武田信由が、俺に突き刺すが手刀で腕を叩いた。
脇差を落として「うう・・・」と言って
余り力を入れてなかったのに、右手首が折れていた。
暴れていた武田信豊も捕まった状態で跪いていた。
丁度、戻ってきた武田義統へ引き渡した。
「父上、1度は情けを掛け申した。それが心残りに為り申した」
家臣に引っ立てられて、首を
「殿、ようやく朝倉勢が来ましたが、どうなされます」
「そうだな、そのまま丹波へ侵攻しよう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます