第15話仲間に引き入れる
国境に出張っていた竹中半兵衛が、伊賀と甲賀を上手く味方に引き入れてくれた。
その条件は、しいたけ栽培のノウハウを教える事。
伊賀と甲賀は田畑に不向きな土地だからだった。
その為に、忍び家業をして生きて行くしかなかった。
それを根本的に変えれる手段が、しいたけ栽培であった。
伊賀と甲賀の代表を、伊勢のしいたけ栽培場へ連れて行き見学させた。
見学した者は、そりゃ驚いていた。
しいたけが幾つも生えていて、ずらりと並んでいるのだから。
しいたけ栽培も研究成果で、1年中栽培出来るようになった。
しいたけ栽培用の建物が必要だが、俺の手に掛かれば楽勝。
室内の温度と湿度管理が必要だが、それように温度計や湿度計も作った。
伊賀と甲賀のことを、今川の殿様に知らせると好きなようにしても良いと承認をもらった。
やはり忍び者をあまり信用していないようす。
忍びを雇うと、雇った者の情報がだだ漏れになっていたのが原因だった。
忍びは、あっちこっち情報を売るのが商売で、仕方ないことなのかも知れない。
なので大名は、忍びを使い捨て程度でしかない。
それに平行して志摩も、俺に付いた。
志摩で有名なのは真珠だ。
俺は真珠を餌に取り込んだ。
真珠を作る貝は、アコヤガイが有名で薄い貝だ。
そのアコヤガイの真珠を作る細胞を、大きな貝で作った球に貼り付けて、アコヤガイの体内に戻せば真珠にしてくれる。
後は成功するかしないかは、神頼みでなく入れる技術だ。
俺も小学校の就学旅行で、ミキモト真珠島へ行ったことがある。
海女さんが海に潜って貝を取っているのを見た。
「ピューピュー」と口笛を吹いて息継ぎをしていた。
なにやら独特の息継ぎ方法らしい。
それと、アコヤガイに球を入れる工程も見学した思い出があった。
貝を挟んで、球が入れるぐらいに開いて、球に肉へんを付けてスッと入れていた。
鮮やかな手際だった。
志摩は、最初は疑っていた。
しかし、【なばな(駆逐艦)】に乗せて航海して、堺で真珠を売る所を見せつけた。
法外な値段で売れる真珠に驚いていた。
その真珠を手に入れるにも苦労した。
方々から貝を買い漁った。俺が鑑定して4つを見つけだした。
まんまるでない
それが、当り前のように高く売れるのだ。
それが、丸い真珠だと更に値が跳ね上がるだろう。
西洋人に売ればバカ売れ間違いなし。
真珠で思い出す話は1つ。それも有名な話だ。
クレオパトラが酢に溶かして飲んだことだ。
美容と若返りの
その売れた銭を、そのままお土産に渡した。
それで、ころっとこっちに引き入れた。
志摩は、なにやら海賊もしているようで、【なばな(駆逐艦)】を見せたことで逆らうことは無いだろう。
それ程衝撃だったらしい。【なばな(駆逐艦)】から魚雷発射で小島を爆破した光景が。
勿論、今川の殿様からも引き入れることも承認されている。
そして、いよいよ始まることが書かれていた。
浅井を攻めを初めて、速やかに終わらせて一気に六角に攻め入る手はず。
その時期に合わせて、俺は国境に1万8千の兵を集結させる。
紀伊と大和方面は、守備隊5千と志摩が守る手はずだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます