第16話六角攻め




今川の殿様は、北近江の戦国大名である浅井長政あざいながまさを一気に攻め落とした。

浅井の家臣を内密に味方に引き入れて、その家臣によって討ち取られた。


浅井長政は、寝ていた所を2人の男の刀で突き刺さされて死んだ。

それは、寝所を守るべき信頼していた者の仕業でもあった。


長政の父、浅井久政あざいひさまさは、酒をみ交わしている最中に背後から斬られて息絶えた。



それを成しえたのは、太原雪斎の計画であの手この手を使ったらしい。

なんでも贅沢な贈り物を、これでもかと贈った。

その大半が堺から仕入れた物と、俺の所で作った天日干し椎茸も含まれていた。


なんでも尾張を支配した時から、その贈り物が続いていた。

1度でも贅沢をすると、手放す事は中々出来ないらしい。



太原雪斎に頼まれて、忍者を放った。

忍者達の日々の噂に惑わされたことも1つの原因。

忍者は商人や修験者に化けて、上手く噂を流した。


『赤鬼が来たら皆殺しだ。天罰が下るぞーー』


俺の悪評が近江まで届いていた。

太原雪斎の手腕は凄い物があった。まさに飴とむちだ。




そこからが5万も越す大軍で、六角に攻め入った。

琵琶湖の下を支配している六角は、六角と家臣団のきずなが強かった。

浅井に使った手は、使えないと太原雪斎は当初から諦めていた。


俺らも時間を合わせるように、1万8千の兵力で伊勢から攻め入った。


【クエスト発生 六角に勝利しろ】


又もクエストが発生していた。


「言われなくとも勝ってみせるぜ」と口から出てしまう。



支援する城を、ロケットランチャー2発を撃ち込むと、呆気なく落ちた。

中の兵士達は、壊れた門から逃げ出してくる。

事前に降伏する者には殺さないと、大声で知らせたのが効果的だった。



それ以外にも、野戦での戦いで俺は無双をしていた。

降り注ぐ矢を金剛杖で叩き落とした。


馬上の武士は、一振りで馬ごと吹き飛ばした。

6メートルも飛ばされて、敵兵ごと6人が動かなくなった。


足軽の槍も、何本も叩き折って大きく振り回して、10人程を飛ばした。

それを見ている敵兵は恐怖している。

陣の近くで、大声で怒鳴どなった。


「死にたい奴は掛かって来いやーー!!」


それを合図に総崩れだ。槍や刀を投げ出して我先に逃げ出した。

少しでも身を軽くして、早く逃げようとしている。




「あれが観音寺城か?」


日本の5大山城の1つらしい。

今川軍と合流して、7万にも膨れ上がっている。


観音寺城からありも這い出る隙もないように、今川軍が包囲している。

琵琶湖にも何隻もの船が、観音寺城に睨みをきかしていた。


今川から使者を送ったが、交渉は決裂。

降伏する素振りもみせない。山城の防御に自信があるようだ。

まだ落ちていない支援の城には、松平元康が率いる軍が向かっている。


既に誰も助けに来ないはずだ。



殿から1番に攻め入れと言われている。


「殿、よろしいのですか?」


「俺の後をゆっくりと来ればいい」


「殿にもしものことが起きれば大変です」


「大丈夫だ。任せておけ」


今川義元の「城を攻め落とせ!!」の号令に従い突撃をする。


俺は1番に駆け出した。

矢や火縄銃が撃たれる中、スッとかわし険しい坂道を駆け上がった。

山城の堅牢けんろうな門まで、ようやくたどり着いた。

門の中心点を金剛杖の一突きで、「グシャッ」と突き破った。


突き破った門が、守っていた兵を突き倒している。


門を通って、一気にジャンプして大勢の敵兵のど真ん中に着地。

何人かは踏み潰した。

仰天する敵兵に、金剛杖を振り回して一掃する。

一振りで20人程を倒した。


俺を見て逃げ出す者がいる。

反対に向かって来る者は、金剛杖の一振りで仕留める。

どんな鎧でも、防げない程のダメージを与えていた。

体がボキッと音がして、へし折れている。


逃げる者は、後から来た俺の家臣によって倒された。


そして、ドシドシと俺を追い越してゆく。


六角義賢ろっかくよしかた義治よしはる親子は、抵抗するも刀ごと斬られて討ちとられた。


城内では勝ちどきをあげている。

あちゃーー俺を残して勝手に勝ち鬨をあげやがった。

俺の立場はどうなるんだ。


【クエスト完了 報酬に水魔法を差し上げます】


水魔法か・・・なんと冷やして氷が作れるらしい。

暑い夏が涼しくなりそうだ。

そして久し振りにレベルアップをした。



今川の殿様から、一番のお褒めの言葉を頂いた。

そして、ここでお別れをして伊勢に戻った。

いよいよ紀伊へ攻め入る準備で忙しい。


今川は京へ上洛しに行くそうだ。


近江の小国は、六角につく暇もなく負けたことで動揺している。

いち早く、軍門に下る使命を受けた使者がやって来ていた。


越前の大名の朝倉氏には、既に話はついているらしく、俺には詳しく教えて貰えなかった。

その時に、俺はピンッとくる物があった。

どうやら俺関係の事だと思う。



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